『2020初秋奥日光ライド』 日光~湯西川温泉~下今市

午前3:30。
起きた。昨日準備しておいたサイクルジャージに袖を通し、家から出発し、始発電車に飛び乗る。

今日の目的地は日光。
理由は、特にない。
行きたかったから。以上。

知らない町で、知らない駅で、知らない制服を見て、ああ、そうか僕は今知らないところにいるんだな、と実感する。この時間が好きだ。

時々うとうとしながら電車に揺られていると、日光に到着した。



さて、今日のルートはこんな感じ。


霧降高原を通って大笹牧場、その後も北上し湯西川温泉を通って、下今市でゴール。

あくまで予定は予定。
予定外があれば、そのまま予定外に流れるだけ。

で、今回の装備はこんな感じ。


実は県外遠征は初めてのAll-City Cosmic Stallionです。
サドルバッグは、ちょっとした改造を加えています。

乞うご期待。
後のバッグはいつも通りのアウターシェルのフレームバッグ&フロントバッグ。

それではスタート!
東武日光駅から即ヒルクライム開始。斜度が10%を超えてくるあたり、本州の山な感じがする。北海道でこんな斜度なかなか見なかったからね。



予報だと晴れだったんだけどな?
あまり雲が切れないままの空を恨めしそうに眺めながら、淡々と登っていく。

All-city cosmic stallionで本格的なヒルクライムをするのはこれが初めてなので、感覚を確かめながらペダリングしていく。

で、乗り心地はどうなのかというと、素直でめっちゃ良く登るという感じ。
具体的に言うと、ちゃんと操作するとよく進むし、雑に操作するとあんまり進まないという感じ。そういう意味ですごく入力に素直だと思う。乗り手が「試されている」ような。

反対に今までメインで使っていたスートラは許容値が広くて、雑にペダリングしてもまあまあ進むし、逆に丁寧にペダリングしても、まあまあしか進まないような印象があった。

こう書くとあんまり良くないかと思われるかもしれないけど、荷物満載のロングツーリング終盤とかで、疲れててもそれなり進むというのは結構なメリットだと思う。そういう意味でもロングツーリング用の自転車だなあ、と思う。

スートラは荷物をたくさん積んで走っているし、たくさんの自転車を知ってるわけでもないし、感覚なので明日は違うこと言ってるかも知れない、くらいのつもりなのだけど。

閑話休題。


やや晴れ間が見えてきた。
そんなタイミングで霧降高原レストハウスに到着。ここから天空回廊と呼ばれる1445段にも及ぶ階段に登れるということで登ってみることに。


スタート!


100段毎にこんな感じで教えてくれる。先が長い。そしてだんだん霧が濃くなっていく。


景色見えないんだけどな?



700段を超えたあたりから、階段が急になり標高をどんどん上げていく。



さて、1445段の先の景色は…!?



何も見えませんでした。
本当にありがとうございました。

まあ、登ってるうちから何となくそんな気はしたんですけどね(←当ブログ頻出の一文)

仕方ないので花でも撮ってお茶を濁す。
うん、天気のいい日にまた来よう。





階段を下りきり、ホッとした途端お腹が減った。
まだ10:30だけど朝ごはんもまともに食べていなかったから、当然と言えば当然のこと。運良くレストハウスでご飯が食べられるようだったので頂いていく。


もう、温かいものが美味しい季節になったのか、としみじみしてしまう。(気温10℃)
腹ごしらえも済んだのでリスタート!





六方沢展望台にて。
この辺りのから少し雲が切れてきた。天気予報通りだったら、ものすごくいい景色だったんだろうなあ。また天気のいい日に(ry


ここが登り切り。
空を見れば青い部分が見えてくるように。


晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろ晴れろha…。


\晴れたー!/

やったね。(ちなみにこの日で晴れたのここだけ)



大笹牧場は別に見るものが無さげだったのでパスして、そのまま下っていく。


良い景色!
背景の山が色付く頃に来たらものすごく綺麗なんだろうな。また来よう。

鬼怒川まで下りそこから、再び黒部西川線をヒルクライム。
一発の目のヒルクライムに比べて、こっちも斜度的には負けず劣らずか、こっちの方がややきつかったかも。こういう時のための30t×32tです。軽いギアは正義。ギア比1以下は正義。GRX万歳!



紅葉はまだまだ。
10月の終わり位だろうか。


まだまだ緑。


ここもきっと晴れてればもっときっと。
また晴れてる日(ry


さて、黒部西川線を進んでいくと、平家落人伝説が湯西川温泉へと出ることができる。


「平家」というと、平清盛が厳島神社を造営したとか、壇ノ浦で滅ぼされたとかで、源氏の東国のイメージに対して、何となく西国のイメージが強いけれど、よくよく考えたら平安中期に東国で「新皇」を名乗って朝敵となったのは「平将門」だし、そもそも「平将門の乱」だって東国にいた平氏一族の争いが火種なわけで、関東にもいっぱい平氏っていたんだろうな。そういえば、鎌倉幕府の執権だった北条家も平氏の血を引いていたとかなんとか。

少し進むと、「平家の里」というところがあったので寄ってみることに。




中の様子はこんな感じ(公式HPより)



隠れ忍んで 八百年
今日この里 甦る


「この里では、端午の節句は一日遅れてお祝いし「鯉幟は上げない」「鶏は飼わない」という風習になっております」

なるほど。

確かに周りを見れば山に囲まれ、身を隠して生活するにはうってつけかもしれない。

ただ、時代の気まぐれで、栄華を誇った平家一門が追われる立場となり、こんな生活をしていたのかと思うと、なんだか無常観というか、「たけき者も遂には滅びぬ」、「ただ風の前の塵に同じ」というか「行く川の流れは絶えずして、もとの水にあらず」だなあ、とか考えてしまう。

そんな感じのことを考えながらシャッターを切ってみたので、以下の写真で、雰囲気を感じてもらえれば。






家屋の中では、こんな風に展示品を見ることができるようになっていました。
山奥での生活でひっそりと暮らすのはどんなものだったのだろう。







五言詩だろうか。
読めそうで読めない。崩し字勉強しようかな。


皆さんおなじみの平家物語。

実は大きく分けて、「読み本系」と「語り本系」の2種類あって「祇園精舎の鐘の声~」で始まるのは「語り本系」の方。で、写真の「長門本」は「読み本系」。一応「語り本系」の平家物語の文庫本は持っているのだけど、「読み本系」は持ってないから気になりますね。どうでもいい話でしたね。



小腹がすいたのでお汁粉を食べていくことに。
じんわり体に染みていって、もう秋なんだなあ、ってしみじみ思ってしまった。


こう見ればかわいい?



こんな感じのランプがいくつかあったから、あたりが暗くなってからの雰囲気も良さそう。



一周して戻ってきました。

平家一族というだけで、こんな生活を強いられて、ここでつつましく生活していた人はどう感じているのだろう、というのはものすごく気になりました。源氏に負けた当時の世代の人はまだしも、その後の世代の人はどうだったのだろう、とか。

もちろん、これは平家落人の里だけじゃなくて、いろんなことに言えるし、もちろん僕だってそう。生まれる場所は選べない。この町の人は、そして僕は、生まれた場所、そして時代にどう感じているのだろう。


さて、思ってたより雰囲気が良かったので、時計の針が予想よりも進んでいて、この時点で山道に戻るのは無しなのが確定。東武線沿いに走る国道を流して帰ることに。天気もいまいちで景色も望めない状況だったし。




新高徳駅の辺りで温泉に浸かり、そこから輪行しようと計画を立て、温泉に入ったはいいものの、温泉でゆっくりしすぎて電車を逃し(ポンコツ)、乗換駅の下今市駅まで10㎞走って(せっかく汗流したのに)今回は終了。

下今市駅が思ってたよりいい感じの駅だったので良しとしましょう。


電車に揺られながら、今度は紅葉の時期で天気の良い日に来ようとか、哲学的な妄想を膨らませたりしながら、夜の知らない街を見て帰路に就きました。

おしまい。

実際走ったルート

走行距離:99㎞ 獲得標高1784m

訪問日:2020.9.29

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