風が暖かくなった4月第一週。
春を感じたい。
というわけで、伊勢志摩へ。
伊勢志摩は京都からだと大和八木の乗り換え一回で済むのも良いところ。
車窓はどうしようもなく春。
宇治山田で下車し、スタート。
上着を着てきたけれど、もういらないくらい暖かい。春。
この日のルートは以下の通り。
宇治山田から内宮までは旧街道沿いを往く。
県道32号線は交通量が多くていやだし、こちらのほうが街並みや道端のあれこれを見るのが楽しいので。
内宮手前の辺りは桜が咲いていた。
何とか桜の季節に間に合った、という感じ。そんなことを毎年思っている。「桜はすぐに散るから人気がある」なんていうけれど、個人的にはもう少し長く咲いてくれても良いんだよ、と思ったりしている。
最初に目指すは剣峠。
内宮を横目にそのまま直進すると剣峠へつながる道へ入ることができる……のだけど、これが分かりにくくてちょっと焦った。というのも、峠への道へ入る手前のところに内宮駐車場のロータリーがあって、そこで道が終わっているように見える作りになっているので、その先の道がちょっとわかりにくい。
ロータリーを直進してこの看板が見えたらそこが正解。看板の通り急にグッと道幅が狭くなり、ここからは観光地ではないのだということを肌で感じる。
剣峠へ至る県道12号線は、川沿いの山間を走る道。
時たまに開けたり集落があったりしながら緩やかに登っていくとても良い道だった。
森が明るいのが印象的。
広葉樹が多いからだろうか、良く走る京都の辺りとはちょっと雰囲気が違う。こういう明るい雰囲気の森は大変好き。
人が住んでいるのか分からないような集落を幾つか横目に見つつ、森の中をしばらく走るとこの看板。
ここまでも十分狭路だったけれど、ここからは狭路+上り+タイトカーブが続くようになった。ちなみにここから先、自動車には出会わなかった。すなわち、大変良い道。
繰り返すけれど、とても明るい森。
植生がなせる業なのか、それとも春だからなのか。
理由は分からないけれど、とっても好き。
春は春霞で遠くの景色は良く見えないし、花粉もあるから「むむむむむ」と思うこともあるけど、でも「春だなあ」と思うこの瞬間は、他の季節に勝るとも劣らない魅力があると思う。
木々の向こうに、木漏れ日差すタイトカーブが見える。このような羊腸の様な道がしばらく続く。
桜の名所をわいわい見るのも良いけれど、森の中で一人ひっそり愛でる花見があってもいい。
そう、ここは神域。
こういう看板に引っ張られてか、この森はどこか神聖な雰囲気を纏っていたように思うし、繰り返し書いてきた「明るさ」というのも、どこかそんな場所の特異性に影響を受けているのかもしれない。
そんなことを考えているとすぐに峠に到着。
スパっと切れた切通が素晴らしい。
ちなみにこの峠は標高200mちょっとでやや小ぶりな峠なのだけれど、そのサイズ感からは想像つかないほど満足度の高い峠だった。
展望台からは太平洋を望む。
視界はだいぶ狭めで、正直おまけ程度。
道の良さの方がだいぶ勝る印象。
これは椿に合わせたかったのにちょっとピンボケ。残念。
下りもタイトカーブが続く。
スピードは落としながら。
R260に合流してからは一路西へ。
桜が綺麗に咲いているところがあったので、一旦写真撮影タイム。いつも思うけれど、桜と自転車一緒に撮るのって難しすぎません?
R260をひたすら走るのも面白みが無いのでちょっと脇道へ。
阿曽浦のあたり。
山がちな場所の漁港。好き。
海が大変綺麗。
遅めの昼食。
ご飯処はところどころにありそうだからと「まあもう少し進んでからでもいいか」と走っていると、意外とない。そんな場所だった。
午後はR260に別れを告げて県道46号線へ。
交差点に信号もなにもなく、気が付かずにそのままスルーしてしまった。「あれどこだ」と引き返すとこの看板。期待が春のつぼみのようにむくむくと膨らむ。
河内川の桜も見頃だった。
…と桜に見惚れて直進していると、また分岐を見逃してオフコース。県道46号線、なかなかスタートが見えにくい。「どれどれ、どこだどこだ」と来た道を引き返す。
あったこれだ。
この看板もなかなか。
これは「良い道」な気がする。
初手からぐいぐい上り、さっきまでいた河内川沿いの桜を俯瞰で見渡す。
「良い道では?」という予感はぴたりと当たり、剣峠を越える狭路が続く。落枝落石もまあまあ。交通量は極少。轍があるから走ってないことは無いんだろうけど、かなり少なさそうな印象。ちなみに自分が走ったタイミングで会ったのはジムニー一台とバイク一台のみだった。
ゆるやか…に見えるかもしれないけれど、斜度10%前後の坂が続く。海抜ほぼ0mから500m強まで一気に登るそれなりの峠。
時刻は4時前。日が長くなったとはいえ、西日が差し込むようになる時間。
峠に着くと急に視界が開けた。
これが見られるから紀伊半島はやめられない。
藤坂峠、なかなかにいい峠じゃないか。
春霞の中にぽつぽつと桜が見えるのが春。
折角なのでちょっと峠でゆっくりした。
風の通り道になるのか、峠は思ったより風が強く、その風が思いのほか冷たくて花見の終盤に感じるそれに近く、「ああ、まだ春なんだなあ」と思った。
体が冷え切る前にジャケットを着てリスタート。
下りもカーブが連続する。
路面状況もなかなかになかなか。
基本ずっとこんな感じ。
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