落車入院日記 1、事の始まり

最近、ブログを更新できていないのほんとすみません。

就活が主な原因です。
時間というよりも、労力とやる気の問題で書けていないのですが、このまま放置するのもなあ、と思い、以前サイクリング部の部誌に寄稿した記事を、少し改変して投稿していこうと思います。

タイトルはずばり、

「落車入院日記」

です。

僕が大学一年生の頃、サイクリング中に落車をして、その後、入院する羽目になった話です。あんまり楽しそうな話じゃなくてすみません。楽しそうじゃないどころか、全然楽しくないです。部誌に寄稿した当時、部員からは痛そうすぎて読めない、と不評を買いました。

あんまりそういうの好きじゃない人はこのままブラウザバックしてください。あんまり綺麗じゃない、汚い、気分の悪くなる場面もあるかとは思います。

それでも、皆さんのサイクリングライフでこういうことが起きないように反面教師的な感じか、あるいは、こいつなにやってんだよバカだなと笑って読んでいただけたら嬉しいです。というか、当時の僕、バカすぎて正直、ほんとに何やってんだという感じなのですが。

元記事が1万字を超えるもので、かつ少し改変して文字数を増やしていく予定なので、幾つかに分割していきます。それでは、前置きはこのくらいにして、「落車入院日記」はじまりはじまり。


~~~~~~~~~~~~~~~


 事故当日:事の始まり


僕はその日、千葉県を南下していた。
天気は快晴。絶好のロードバイク日和だった。
養老川沿いに自転車を走らせ鹿野山を目指していた。

2018年9月19日。

この日、人生で一番大きい怪我をすることなどつゆ知らず、サイクリングを楽しんでいた。

跨っていたのは、GIOS AMPIOというフラットバーロードを自分でドロハン化したやつ。いうなればロードバイクもどきである。いつも乗っているグラベルロードのKONA SUTRAよりも軽く、どこまでも進んでいけるような気がしていた。いや、「空を飛ぶというのはこんな感じじゃないのか」ぐらいは思っていた。実際、この後、空を飛ぶのだが。

僕はこの日、サークルで行われる1年企画の下見のために走っていた。
我がサークルではランの企画は、主に3年生が務める企画局がつくる。ただ、企画局に興味を持ち、未来の企画局を育成するという目的で、1年生が企画をつくることがある。1年が全員、それぞれの企画をつくり、投票をして1つないし2つ決め、実際にサークルで走る。これが1年企画だ。

そこで、鹿野山に行こう、と考えたわけである。

話を当日に戻そう。
ツクツクボウシとヒグラシの鳴き声を聞きながら、どこまでも高い秋晴れの中を風を切っていく。この瞬間がたまらなく好きだ。サイクリングの醍醐味は、こういう上手く言語化できない諸々に宿っていると思う。

そんなことを考えていると鹿野山の入り口についた。
鹿野山は千葉県でも屈指の有名ヒルクライムスポットである。丘と見まがうような山しかない千葉県においてしっかり登りを味わえる貴重や場所だ。

今回は一番斜度がきついと言われる秋元口から登った。
上り始めてすぐ斜度10%を超える坂が現れた。その後も緩い坂ときつい坂が交互に来る。

しかし、標高400mも無い山であることに加え、ロードバイクの漕ぎ出しの軽さおかげで、思っていたよりも早く登り切りの展望台がつくことができた。展望台からは、千葉県の山々が見渡すことができた。非常にきれいなところである。僕は達成感と満足感を感じていた。



上った後は下りである。
下りは大好きだ。

風と一体化しているような、あの独特な高揚感が好きだ。下りはじめ少し進むと、まっすぐな道だった。「これは飛ばせる!」そう思った僕は気持ちよく下った。

最高に気持ちがいい。そう思いながら、少し減速してカーブを曲がっていく。その次の左カーブが見えた瞬間だった。

「ガタッガタッガタッ」

急に自転車が揺れた。
舗装がガタガタだったのだ。

いつも乗っているKONAは40cであるが、この日乗っているのは25cだった。
しかもタイヤは完成車についてきたヴィットリアのザフィーロ、しかもワイヤービード。ロードバイクに乗っている人ならわかると思うけど、タイヤのグレードは最低も最低。グリップ力も衝撃吸収も最底辺のタイヤ。にもかかわらず、40cのタイヤの時と同じ感覚でカーブに突っ込んでいったのである。端的に言ってバカである。

僕は、あっさりと、びっくりするほどあっさりとバイクコントロールを失った。

バランスをとるのに精いっぱいな僕の目に飛び飛んだのはガードレールだった。
「曲がれッ!!!」と思う間もなく眼前にガードレールが迫っていた。

「あぁもう無理だ、ぶつかる」

諦めにも近い悟りを得たその瞬間 
―――「ガンッッ!!!!!!」 


自転車はガードレールにぶつかった。
僕は宙を舞った。



つづく。




コメント