『外房ぐるっとライド』

行きたいな、と思っているけれども、
行ってない、行けてない場所ってありませんか。

僕にとってそれが、外房。
特に上総一ノ宮より南の外房でした。

生まれも育ちも内房の民の私。
外房は何というか、場所的にも文化圏的にすこし遠く感じるのです。 
下総生まれの僕としては、昔は上総の国と呼ばれた地域は特に。

とはいっても、同じ千葉県。
すごく遠いわけではなく、文化的にものすごく離れているわけでも、例えば愛知の人が「こっちは尾張、あっちは三河」といったり、静岡の浜松と静岡と伊豆のような、あんな感じな訳でもありません。

というわけで、「行こうと思えばいつでも行けるし」なんて思って今まで行っていなかったのですが、世の状勢的に県外遠征もなんだかなあということで、いい機会だし行ってみました。


ざっくりルートはこんな感じ。


というわけで今回はここから。
外房線はあんまり、というかほとんど乗ったことが無かったので新鮮。
もちろん上総一ノ宮駅も初めて。


結構おしゃれな駅。
BBBASEなんかの駅にもなっているらしく、旅の起点としてはいいのかも。

外房の国道というと128号線があるけれど、今日の目的は出来るだけ128号線を使わないか、旧道を使うようにすること。

理由は簡単。
128号は虚無区間でしかないから。
その路肩の狭さ、交通量の多さ、トンネルの多さ。
どれをとっても走っていて楽しい場所じゃない。(個人の感想です)





上総一ノ宮から128号という虚無区間を過ぎて、大原の辺りから国道を逸れて「楽しい区間へ」。




海沿いへ。
外れてすぐ漁港があるのが千葉。


こういう雰囲気が好き。






国道を外れたままそのまま南下。
しっとりした雨の下で見る紫陽花というのも好きだけど、初夏の日差しをたっぷり浴びている紫陽花を見るのも好き。



すぐに山があるのもこの辺りの感じ。
すこし128号に戻ってからすぐに道を外れて再び海沿いへ。



海に向かって、漁港に向かって下る道、好きー!!!



鏡写しの漁港



穏やかな時間だ。


名前は聞いたことのある岩船地蔵尊。
赤いこじんまりとした社殿がありましたが、写真撮るの忘れた。



ただ、岩船地蔵尊からの眺めは抜群。
写真だけだと納まりきらないので、動画でも。




何をとっているのだろう。


穏やかな港の雰囲気をたっぷり吸ってまた南下開始。



途中、ドン・ロドリゴ上陸の地という看板があったので寄ってみた。

ドン・ロドリゴは江戸時代初期の人物で、メキシコへ帰る途中、この地に遭難したとかなんとか。これがきっかけで、田中勝介という京都の商人がメキシコに行ってうんたらかんたら。

大学受験期の日本史の知識なんて、よどみに浮かぶ泡沫のようで、風の前の塵に同じなので、ちゃんと詳しい人に聞きましょう。



二外がスペイン語だったので、読んでみたのだけど、playaはビーチ、これは覚えている。
が、その先は知らない単語ばかり。
スペイン語の知識も、よどみに浮k(ry
スペイン語再履が求められるな。


Bon voyage!!!それはフランス語だぞ


再び南下。


御宿。
若者人気があって、「新宿・原宿・御宿」と洒落で言われたこともあるらしいけど、そんな話も今は昔。
洒落にもならない閑散ぶり。
夏休みの時期だとまた変わるんだろうか。


肌が小麦色に焼けたサーファーの方が楽しそうに、波に乗っていた。
一回やってみたいと思うけど、人生で一度も25mプールを泳ぎ切ったことのない金づちなので、まあ、無いかなあ



勝浦に差し掛かったタイミング時間はちょうどお昼時。
いい機会なので、勝浦と言ったらの、あれを食べました。


勝浦タンタンメン。

千葉県民なら(多分)知らない人はいないと思われるB級グルメ。
もとは、漁師さんや海女さんが寒い海仕事の後に体を温めるためのメニューだったとか。暑い日に熱いものを食べるの嫌いじゃない。

味はというと、見た目の通りラー油の辛さと細麺、それから玉ねぎの辛さも重なってすこしカオスな感じ。とはいっても、いわゆる激辛系ではないし、そこまで辛いのが得意じゃない僕でも美味しく食べられました。下の方は火の入った甘い玉ねぎなんかもあって、おいしかったです。










勝浦は、海も山も街もコンパクトにまとまっていて、深堀してみてもいいなと思ったり。ただ、その時はロードバイクじゃなくて、徒歩か、あるいは小径車とか折り畳み自転車とかの方が小回りが利いてよさそうだな、なんてことも思った。

そういうわけで今回は深堀するのはパス。
また来よう。



腹ごしらえも済んだので再び南下。


ちょっと気になっていた行川アイランド。
廃墟好きの人とかの間だと有名だろうか。

中学生の頃、外房線に「行川アイランド駅」という駅はあるけど「行川アイランド」は無いというのを聞いて何となく行ってみたいなと思っていた。今は駐車場が見えるだけで中はもちろん立入禁止。


倒れている駐車場の機械が何となく哀愁を感じるな。



行川アイランド駅には、もうなくなってから20年たつ「行川アイランド」の案内板がありました。うん、良い。



行川アイランドに別れを告げ、そして128号からもそれ、海沿いの道へ。
この日、一番楽しみにしていた道。

それがこれ。



何だか千葉っぽくない。
千葉は浜があることが多いので。

なかなか写真だと分かりにくいので動画でも。




それにしてもよくここに道通したな。




なかなかいい場所でした。

再び南下。
というよりも西に方角が変わりつつ。


急に大きな寺が見えた。
誕生寺というらしい。

「ま、また今度」
と思って、そう思った自分に驚いた。
何だろう、目的地に急いでるような自分がいた。

目的地に急いで旅なんかできるわけがない。
目的地に行くのが旅じゃない。
サイクリングでもない。
走っていなくて、忘れていたのかもしれない。
就活で最短距離に慣れすぎていたのかもしれない。
けど、これははっきり良くないな、と思った。

時間的にものすごく余裕があるわけじゃないけど、そんなもんは未来の自分がどうにかしてくれる。そう踏んでゆっくり散策することにした。





日蓮上人が生まれてからもうすぐ800年らしい。
日蓮と言えば、言わずと知れた日蓮宗の開祖。
『立正安国論』を書いて幕府に楯突いたり、それで伊豆や佐渡に流罪になったりとなかなかアグレッシブなお坊さん。














こういう時期だからか、かなり閑静としたお寺でいい場所でした。
寄り道してよかった。
寄り道こそが本質だったりすると思う。




のんびりしてしまったので、ここから急ぎモード。
と行きたかったのだけれど、結構な疲れが出てきた。
就活でほとんど運動してなかった体だ。
当然と言えば当然。


というわけで、ちょっと休憩。
疲れたときに急いでも楽しくなかったという記憶が残るだけ。

道の駅ローズマリー公園。
暑かったしアイスにしようかと思ったけど、ピーナッツシェイクにしてみた。
どんなもんだろ、と思って飲んでみたけど、これがびっくり。
めちゃくちゃ美味しい。
いやお世辞抜きでほんとに美味しかった。
久々にこんなに美味しいものを食べた気がする。
本当におススメです。



元気も出たところでリスタート。

南西に向かって、房総最南端へ。


というわけで房総最南端。
元気が出てペースが戻ったので、この間の写真はほぼなし。
ここに来るのは実は初めて。
最東端の犬吠埼はもちろん行ったことがあるし、最西端の洲崎まで入ったことはあるし、なんなら今から行く予定。そういえば最北端はどこだったっけか。三方海に囲まれた千葉県において、地続きになっている北は印象が薄いな。


朝日と夕日が見られるベンチ。


……
………
…ひとりでくる場所じゃあないですね。
シンプルにさみしい。



遠くに見えるは伊豆大島かな。
いつかは行ってみたい大島。


「伝説」と書かれていると吸い寄せられるように、近寄ってしまう。
小学生からの成長が見られない。


※タコの造形物に向かって、決してコインを強く投げないで下さい。
願いを叶えるには心のやさしさと思いやりが必要です。

この世の真理を見た気がした。






房総半島と紀伊半島の類似点はいろんな観点から指摘されているけど、ちょうどこの辺りの地名は白浜。去年の春に紀伊の白浜立ち寄ったけど、たしかに岩の感じは似てるかも。
位置的には串本だけど。




房総最南端の灯台。
日本で数少ない昇れる灯台らしいけど、ゆっくりしすぎたせいで(漕ぐのが遅いともいう)、参観時間は終了していた。






針路を西へ変え、再びペダルを漕いだ。


交通量は皆無で走りやすい。
が、道はところどころ砂に侵食されていた。



房総最西端まで行こうかとも思ったけど、その前にいい場所があったのを思い出して、そこで黄昏ることに。


夕方ごろから雲が出てきてしまったので、見えないかと思っていたけど、夕日に映し出された富士山を見ることができた。何となく、富士山を見れるとうれしいんだよな。




この写真を見れば分かる人には分かると思うけど、鳥居の中に富士山を収められるこのスポット。のんびりできるので個人的には好きな場所。


最西端の野島崎によっても良かったけど、もうすでに時刻は7時近く。
前にも寄ったことがあるので今回はパス。

そのあとは適当に館山駅まで流して、今回のライドは終了。
久々に100㎞を超えるライドをして、疲労感に包まれた。


体力の衰えは思っていたよりも早いので、もう少しこまめに乗ろうとも思いましたね。がんばろ。

おしまい。

実際走ったルート。

走行距離:126㎞ 獲得標高692m

訪問日:2021.6.11





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