『小武川支線林道リベンジライド』

今回はここ!


小武川支線林道。
「この間行ってなかったか?」というツッコミが聞こえてきそうですが、事の発端はこのツイート。


これを見て、Gatさんが「ご一緒しませんか?」と誘って頂いたのでホイホイ乗っかって再び最後まで走ることに。

というわけで、今回は二人。
Gatさんはツイッター上でのやりとりはあったけど、実際に会うのは初めて。Gatさんを知らない人に説明しておくと、東大の自転車旅行班の方で僕と同じKona sutra乗り。同じ自転車に乗っているという縁もあって、僕は前々からご一緒したいなと思っていた方。

天気はあいにくの曇り空。
誰かとご一緒させてもらうときは、なんか曇り空が多い気がするけど、多分するだけ。そう信じておこう。


前回は甘利山に寄ってからだったけど、今回はそのまま直接向かった。県道12号から清哲林道、御庵沢小武川林道と繋いで、小武川林道、小武川支線。御庵沢小武川林道からは伐採跡から甲府盆地が見えた。



登りながらはずっと会話していた。
こうやって話しながらヒルクライムをこなすのはすごく好きだ。何なら誰かと一緒に走る半分以上の意味を占めると言ってもいい。話す内容は人それぞれだし、そのほとんどが他愛の無い内容であることがほとんど。でも、それが誰かと走る価値になると思う。



今回は二人とも野球経験者だったのでそんな話や、僕もGatさんも魚を食べるのが好きだったりしたので話は尽きなかった。

キャッチボールしたいけど相手がいないというか誘うのにハードルが高すぎるとか、野球部は引退し、試合に出る予定も無いのに壁当てはずっとしているとか、「刺身やお寿司はとりあえずマグロとサーモン信仰」は良くないとか、もしこの世の中で魚一種類しか食べられなくなったとしたら選ぶのはアジとか、そんな話。

反対に言えば、この登りはこんなふうにずっと話しながら登れるほど交通量は少なかった。誰かと走るならこういう道がいい。せっかく時間を合わせて走って一人で出来る走り方しかしないのは、どう考えてももったないので。

あとはGatさん、「このブログ多分全記事読んでます」とのこと。
なんだろう。嬉しいのはもちろんなんだけど、それ以上に恥ずかしさもあった。確かにPV数とか見られるし、こんなブログでも毎日数PVはある。ので、誰かが見ていることはデータ上分かってはいる。いるんだけど、こうやって面と向かって「読んでます」と言われるとやっぱり「本当に読まれているんだ」となるし、自分の備忘録的な観点で書いている部分も大きいので恥ずかしい。恥ずかしい文章を書かねば。

そんな話をしながら登ると支線への分岐点に到着。



ダート区間に入ってからはは会話が減った。
斜度が15%前後をウロウロする坂であり、かつダートなのでそこまでの余裕がなかった。一緒に走る人は、こういう沈黙とまでは言わないけど、話さない時間が苦痛にならない相手がいい。Gatさんがどう思ったかは僕はわからないけど、少なくとも僕は苦痛ではなかった。そのくらいの距離感がそれまでの登りで掴めたのが良かった、と思う。






この坂はきつい。
割ときつい。

冒頭のツイートの写真もそうだけど、ほとんどその斜度は写真に映らないと言ってもいい。平坦かやや登りかなと思う写真だけど、現実はだいたい15%。厳しい。






高度を上げるに連れてさらに霧が増えた。そういう場所なのだろう。その証拠に、ゴロゴロとそのへんに転がる岩はどれもびっしり苔むしている。苔生した岩と霧とで幻想的な、独特の世界を作り出していた。人でも動物でもないものが出て来る場面があるとするならば、きっとこういう景色の奥からでて来るだろうと、そんな想像すら巡らせるほどの霧の濃さだった。



支点から数キロ。
法面が崩落した箇所に出た。


1つ目は担いで越えたが、その先も法面崩落があり、Gatさんと相談して自転車をおいて徒歩に切り替えることにした。ここではもう路面も荒れてきて走るより歩くほうが楽になっていた。

途中、山装備をしっかり固めた人が下って来たので「この道どこまで続いていますか?」と聞いてみた。するとものすごく怪訝そうな顔をして「どこまで行くの?」「何しに行くの?」「どうやってこの道知ったの?」と矢継ぎ早に質問された。

「この林道の終点を目指していること」「ここまで自転車で来たこと」「山梨県の林道情報を見て来たこと」などを丁寧に説明すると安心したように、ここから徒歩20分程度で付くことを教えてくれた。

よく考えれば怪訝そうな目で見られることも当たり前で、軽装の若者二人が「これどこまで続いているんですか?」なんて聞いてきたら普通、山を舐めている若者にしか見えないだろう。お話を伺うと山小屋の方らしく、道迷いが多いのと熊が出るから気をつけて、とのことだった。ありがとうございます、とお礼をして更に進んだ。


さらに霧が深くなる。
物怪の類の一つでも出てきそうな雰囲気だが、それ以上に熊が出てくるほうがよっぽどリアルに怖い。前回も甘利山で会ってしまっているので、リアリティがマシマシ。僕はもともとよく話すタイプの人間だけど、普段の1.5倍饒舌になりながら登った。



山小屋の人の説明の通り20分ほど歩くとやや広い場所に出た。その先の道もあるようには見えたけど、トラロープが張られていたので、ここで探索を終了。鳳凰三山の登山口の看板があった。トラロープの方は人がいたので写真は登ってきた方面のみ撮った。

サクッと下り自転車のところへ。
ここはピストンなので、空気圧を更に下げて来た道を下った。以前は「なんでここ登っているんだろ」感があって、あんまりピストンのルートは好きじゃなかったけど、今はそこまで嫌いじゃない。その道が楽しければ、ピストンでも全然いい。


オンロードとの兼ね合いを考えると700×38cでも悪くないけど、もう少しタイヤを太くしてもいい、といつも思う。




本線まで戻り、そこから少し北へ進んで御座石線へと左折し、精進ケ滝線へとつないだ。





精進ヶ滝線からは精進ヶ滝が遠くに見えた。ただし、遠すぎて「滝どこ?」からの「ああ滝があるな」程度の感想で終わってしまった。よく見ると「精進ヶ滝遠望台」と書いてあって、なるほど「遠望」と思った。



もうここまでこれば今日の行程のほとんどが終わったようなもの。林道を抜ける手前で遠くが望めた。何事もなく山を抜けられたことにほっとしていた。



このあとは甲府までGatさんにいいペースで引いてもらって今回は終了。
同年代で自分と同じような乗り方をしている人と会えたのは本当に良かったし、多分また、近いうちにご一緒する機会がある気がする。そんなことを考えながら帰路についた。

おしまい。

実際走ったルート

走行距離:76㎞ 獲得標高:1915m






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