起きて、天気予報を見る。
釧路方面のみ晴れ。
行先はこの時点で決まった。
釧路はよく晴れる。
西高東低の気圧配置だと関東平野が晴れるのと同じで、日高山脈にさえぎられて乾燥した冬晴れとなることが多い。反対に言えば雪は少ない。そんな場所を走った2日目の話。
釧網本線で輪行して細岡駅へ。
標茶駅で生足ミニスカJKが乗ってきて本当にびっくりした。
外気温は-20℃に届くか届かないかくらい。
「おしゃれは我慢」とは手垢のついた表現ではあるけれど、そんな陳腐な言葉だけじゃ足りないほどのおしゃれに対する並々ならぬ覚悟を感じた。
細岡駅で輪行解除してスタート。
線路沿いに細い雪の積もった道を進んでいくと細岡展望台に出られる。
良き晴れ。
白く染め上がり切っていない釧路湿原。
朝だから霧氷で白く見えるけれど、昼になって気温が上がったら溶けてしまうだろうからもっと茶色の湿原となって、ここまで綺麗ではなかったかもしれない。そう考えるとこの時間に訪れて良かった。
遠くには白く化粧をした雄阿寒・雌阿寒岳も。
今日はまだ長いけれど、それでもゆっくりしていきたいと思える場所だったので温かい飲み物で一服してからリスタート。
細岡展望台を後にして、今来た道を戻って国道方面へ進んだ。
朝日に照らされた霧氷が眩しく美しい。
この日は-15℃を下回る程度だったがそれでもこの美しさ。
足先はさすがに冷えるし鼻の穴の中はパキパキに凍るけれど、それでもこの景色が見られるのならそれでもいいと思えるほど麻薬的な美しさだった。
国道は一瞬だけ通って裏道へ。
適度というにはやや厳しい斜度があったけれど、その時のためのフロントトリプル。距離は短かったけれど雪もそれなりにあって楽しい道だった。せっかく2.1インチのタイヤを履いているならばこういう道を。
道道1003号線に合流してからはさらに南下。
道道1003号線はほとんど雪はなく、アイスバーンもなくフルドライ。
道道だから国道に比べて交通量も少ないし、昨日走った道道246号線は雪が残っていたので、多少はアイスバーンなり雪なりあるかと思ったけど、全くなく。
なるほどやっぱり雪の降らない釧路だな、と思った。
道道1003号線を過ぎて国道44号線へ。
今回の旅で国道を走ったのは全体の5%に満たなかったけれど、その短い距離でも国道を走るのは嫌になってしまった。交通量が多いし、夏と違って自転車が走っているとは思っていない(対向車のドライバーが驚いた顔を見せていることもそれなりにあったり)、雪もないし正直走る意味が全くなかった。その証拠に写真は一枚も無し。そういうことである。
5㎞ほど国道44号線を走ってからは道道1128号線に。
道道1128号線から分岐し海に向かう道には雪があった。
昆布森の手前の坂。
海に向かうワインディングが好き。
昆布森まで下ってからは道道142号線、通称北太平洋シーサイドラインへ。
名前の通り太平洋を望みながら走れる快走路。
太平洋が見えると言いつつ、最初は森の中。
初無敵を越えたあたりからの区間がハイライト。
しれっと書いた初無敵はそんてき、と読むらしい。
なぜその漢字を当てたのだろうかと思わずにはいられない。
それはともかく道は素晴らしかった。
この辺りも路面はフルドライ。
スパイクタイヤは単純な重りでしかなかった。
知方学まで進み尻羽岬へ至る道で、有害鳥獣駆除のため通行止め。
知っていたのでやっぱりという感じではあった。
それにしても「知方学」「尻羽岬」も難読地名。
ここまでくると読ませる気が無いような。
知方学からは北上し花咲線方面へ向かった。
尾幌には2時頃に到着。
昼ご飯を食べていなかったので近くにあったラーメン店で昼食を食べた。
基本的に行動中はナッツ類を食べていたというのは他の記事で書いた通りだけれど、ボトルいっぱいに詰めたナッツさえあれば一日中動けた。なので、ここでラーメンを食べたのは単純にラーメンを食べたかったから。
冷めた体にラーメンが染みた。
あまりに美味しくて写真は忘れた。
ここで今日のライドはおしまい。
時間的にはもう少し走っても良かったけれど、別に走りたいところも無かったので。満足度は高いところで終わらせておいた方が良いし、せっかくならのんびり輪行したい。
というわけで尾幌駅からは輪行した。
尾幌駅は車両をそのまま使用した駅で、何とも言えないかわいげのあるイラストが描いてあった。
花咲線、釧網線と乗り継いで弟子屈に帰るころには暗くなっていた。
とはいえ、少し時間があったので補給食を買うついでに少し散策。
夏とは違う感じがあって、なるほどここがこんな感じか、と思ったりして楽しい。
一つの場所を何度も訪れて四季を感じるのも面白いと思った。もっと言えば雪の降る場所は冬の表情がぐっと変わるのでさらに良い。今度は春と秋に来よう。
さて、今日のポッポ亭ではジンギスカンを注文。
甘辛のタレとジンギスカンの独特の香りが混じって大盛りのご飯はあっという間になくなった。やっぱりおいしくて明日も来ようと決めた。
続く。
1日目はこちらから。
実際走ったルート。
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