『秋の京都・若狭ライド』 2日目 若狭幹線林道〜三方五湖〜近江今津

起きると、カーテン越しに柔らかな光が差していた。
ライド2日目。
今日も良い日になりそうな気がした。

朝ごはんは、フグ雑炊。


実は晩御飯で提供されるはずだったものの、他のお料理でお腹がいっぱいになってしまったので「翌朝でお願いします」とお願いしていた。

見ての通り、鍋いっぱいで朝から満腹。
「これは昨日の夜にはどう考えても食べ切れなかったですね」なんて話ながら食べた。味は言うまでもなく美味しく、昨日のライドで疲れた五臓六腑に優しい味が染みわたった。

朝ごはんを食べ、少しゆっくりしてから阿納の宿を出発。

お世話になりました。
この日のルート予定は以下の通り。


最初は若狭幹線林道を走り、そこからは三方五湖へ。
その後は田園地帯と街道沿いを走りながら湖西線の近江今津駅でゴール。
距離も獲得も控えめ。フラグも詐欺もない、本当にゆるゆるライドである。



阿納から基幹林道の入り口はすぐ。
トンネルを抜ければもう起点。

序盤は舗装路。
この林道は舗装と未舗装が交互に現れて、割合でいうと半分程度が舗装済で残り半分ほどが未舗装といった感じだった。全延長22㎞ではあるけれど、ちょいちょい舗装が挟まるのでそのすべてで未舗装というわけではない。ロングダートだと思って行くと、がっかりするかもしれない。


斜度はそれなりにあるけれど、昨日の芹生や能見、おにゅうを思えばそこまで。
そもそも登りの距離もそこまで長くはない。


熊野の展望台から若狭の海を臨む。
ここより少し先に進むと未舗装が始まった。



台風が数日前に過ぎ去っていたので荒れ具合はどうかと思ったけれど、思ったよりもひどくなく、走りやすい未舗装路。2.1インチタイヤでは役不足路面。とはいえ、十分マージンを取って遊べるので、前にもどこかの記事で書いたけれど個人的には全然「アリ」。

photo by すーさん




この日もお互いカメラを向け合いつつ。


スタートから8㎞ほど走った地点には大展望が望める地点がある。



photo by すーさん

晴れた海。
最高じゃあないですか。

ネタバレになってしまうけれど、展望がしっかりとあるのはここともう一ケ所だけ。ルートを見ていると海が近いから他にもありそうと思うけれど、残念ながらこの先、林道中に海を見ることはほぼ無い。

まあ、そうはいったものの、これだけドーンと海が望める未舗装路も多くないのだろうから、それだけでも来た甲斐があるというもの。





ここまでは基本登り基調だったものの、ここからはアップダウンに転じる。

photo by すーさん




もう一つの大展望から。

途中で会ったRaphaのイベントの運営の人が(この連休はこのエリアでRaphaのイベントがあるようだった)、「この先、洗堀があるから気を付けて」と言っていた通り、路面には多少の洗堀があり、ついでに言うと、これじゃ車通れないなというような倒木もあった。

ただ、もともと道幅が広く見通しのいい林道であったので、気を付けていれば問題なく、グラベルとしては走りやすい部類。一番怖かったのは、県道に合流する手前のコンクリ舗装の急坂の下りだったかもしれない。そのくらいの感じ。





世久見に下った後は三方五湖の湖畔を走る。

三方五湖はちょっと特殊な景観である。
山々があり、すぐ海がある湖。しかもそれが5個。
春にも近くを走っているけれど、そのときも不思議な場所だな、と思った記憶がある。


千葉県は内房に生まれ育った自分としては、海の近くと言えば、とにかく平坦であって視界が広いというイメージである。そこに山がある、という時点で不思議というか、自分の知っている海沿いではないな、と思うものであり、上乗せで湖が五個もあるんだから、かなり不思議。

正直、琵琶湖のほうが自分の中で「海の近く感」があるまである。
今まで行ったことのある場所の海沿いで、一番海の近く感のない場所を挙げるのであれば、間違いなく最初にここを挙げる。そのくらいちょっと異質だと思うのだ。



湖岸の道路は一車線で柵やガードレールは基本なくって開放感が◎。ただあまりに見惚れているとそのまま湖ダイブしてしまうので注意が必要。そのくらい湖と近い。


photo by すーさん

全力で手を振ったら振り返してくれた。



気山駅の辺りからは湖を離れ田園へ。




さらに進んだところは田んぼの砂利道へ。


いいじゃないですか。
稲刈りは終わってしまっている田んぼが多かったものの、それでも秋の風を背中に受けながら進む田んぼの中の砂利道。好き。

photo by すーさん




実は、ここは並行して県道が伸びているので、目的地に着くという観点から見れば砂利道を走る意味なんて何一つないのだけれど、これを見て意味が無いと言い切ってしまうのはあまりに味気の無いツーリングじゃないか、と思う。

すーさんも楽しんでくれていたようで、夜な夜なストリートビューをぐりぐりしていた甲斐があるというもの。この後も県道と名も無き畔道をつないで南下。



R303に合流したタイミングで、時間にも余裕があったので熊川宿に立ち寄ることに。



熊川宿は、京都・近江と小浜をつなぐ街道の宿場町。
古い町並みが残り、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
こう書くと、人混みがわんさかと…ということも頭によぎったりするけれど、そんなこともなく、のんびりとした雰囲気で晴れの三連休でも楽しむことができる場所だった。





今回はふわっと通り過ぎる程度だったけれど、次回行くときはも少しじっくりと、いっそのことここで泊まって回っても面白そうだなと思ったり。


お土産にサバ缶を。


あとはR303を走り、時々旧道を通りながら近江今津駅まで。
緩やかに下る道を特急すーさん号に引かれながら進んだ。
最後の最後でランドヌールの強さを見た。


あっという間に近江今津駅到着。
マジで速かった。
今回のライドは、これにて終了。



なかなか自分と文化圏が近くて、かつ生活圏が近い人というのは会えるものではない。今回そういう人とご一緒できる機会があったのは本当ありがたいことだったなあ、としみじみと思う。

基本はソロが好き。
多分、これは変わらない。
だけど、本当に孤独になってしまったら、それはそれで自転車に乗ったり、旅に出たりしなくなってしまうと思う。ソロを楽しむためには、誰かと走るという選択肢がある、ということがとても大事なことなんだと思う。コロナになって大学のサークルで活動が出来なくなって、そんなことを良く考えていたし、今でもそれは変わらない。

なにより、誰かと走るのも好き。

最後はちょっとまとまりのない感じになってしまったけれど、振り返るとこんな感じ。

すーさん、とても楽しかったです。
またどこかでご一緒しましょう。

おしまい!

実際走ったルート

走行距離:72㎞ 獲得標高:1083m




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