狙っていた、秋の雲一つない晴れの日。
冬になる前に、どうしても行きたかった越前海岸。
今回はそこを走ってきた様子。
ルートは以下の通り。
スタートは北陸新幹線の話題がホットな敦賀から。
最初は北陸線が「あった」場所を走る。
旧北陸線の開業当初、木ノ芽峠を越える難所であった敦賀ー今庄間では13基のトンネルが掘られた。北陸トンネルが掘られ、その役目を終えた現在でもそのいくつかが車道の一部として残されている。
旧北陸線敦賀ー福井間の開業は明治25年(1892)であり、今回巡ったトンネル群は明治20年代後半の建設。
明治20年代後半というのは、第二次伊藤内閣にあたる。
日清戦争があったり、領事裁判権撤廃を盛り込んだ日英通商航海条約を締結したのもこの時代。「これから日本も」という、そういう時代の建設であるトンネル遺構群を巡る。こういう場所を巡るのは時代を感じるためにも、ある程度の時代背景を受験期の日本史の知識が引っ張り出してきた方が楽しめる気がするし、帰って来てから(ほぼ忘れかけている)そういう知識を(思い出すために)調べるのも楽しい。
上の写真もその一つ。
そういう言われるとここもホームの面影が見えてくる。
ここから始まる車窓もあったのだろう。
今回は全て回るのではなく、旧杉津駅付近でトンネル群に別れを告げて海沿いへ。
海のながめのたぐいなき
杉津をいでてトンネルに
入ればあやしやいつのまに
日はくれはてて暗なるぞ
——鉄道唱歌第4集北陸編
鉄道唱歌は28分以上もある超大作なの初めて知った。
ひたすらしおかぜラインをゆく。
ところどころ「越波注意」の看板があり、つまりそれだけ海が近いということである。
そんな道に悪い道なんかない。
ただただ、気持ちよかった。
土砂崩れによる片面相互通行箇所も何カ所かあり、土木技術が発達した現代においても、なかなか難所なのかもしれないと思った。
ここは北前船で賑わった港町でもある。
今回はパスしてしまったけれど、歴史にフォーカスをあてたサイクリングをしても楽しそう。
昼ご飯。
お店は色々あるので心配なく走れる。
この日は道の駅にて。
午後もひたすら海岸線。
針路が北から東へと曲がる辺り。
そこが一番ダイナミックな景色が連続する区間であった。
大きな岩が海へと延びて、そこをトンネルが穿つ。
トンネルが小さく見えてしまうほど、岩が大きい。
マネーとパワーを感じた。
先に「難所なのかもしれない」なんて書いたけれど、これは見て分かる。難所。
トンネルが出来る前の生活はどのようなものだったのだろう。
このあたりの景色を見て、ふと北海道の浜益~増毛の辺りの海を思い出した。
あの辺りの感じに似た雰囲気だった。北海道の方が雄大であって、越前海岸の方が人の営みと近いという違いはあれど、連想するくらいには近い感じがした。(北海道の方が交通量が少なくて景色を楽しめるので北海道へ行きたくなった)
午後も午後でひたすら青。
雲一つない日を狙っていてほんとに良かった。
R305が海からやや離れるタイミングで内陸に切り込み、福井駅方面へ。
さくっと山を越え、田園を走り福井駅に到着。
うっすら”DINOSAUR KINGDOM FUKUI”って書いてあって笑った
小学生の頃、恐竜もそれなりに好きだった少年だったのでフクイラプトルとかいるの知っていたけれど、駅が想像以上に恐竜推しだったダイナソーキングダムFUKUI。
今日はここで撤収。
北陸本線で家路についた。
ちなみにこれは余談だけれど、朝巡った旧北陸線のトンネル群の代わって作られた北陸トンネルを通過したのだけれど、そのあまりの長さに驚いた。全ッ然トンネルから出ない。「え?いつトンネル出るの?」って思ってからめちゃくちゃ長かった。あまりにびっくりしたから調べてみたら、狭軌の陸上トンネルでは日本最長で、その長さは13870mもあるそう。この日一番マネーとパワーを感じた。
次はこの辺りの山を越えてみようか。
おしまい。
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