起きた。
布団だ。
起きたときにテントが見える「非日常感」も嫌いじゃない。
だけど、数日布団じゃない場所で寝てから、布団で起床した時の満足感は異常だと思う。
朝ごはん。
誰かが用意してくれている幸せ is スゴイ。
さて、今日のルートはこんな感じ。
宿泊した東大雪ぬかびらユースホステルを出発して、北海道国道最高地点である三国峠を越え、そのまま旭川まで行く予定。
それでは、今日も頑張っていきますか!
昨日の話はこちらから。
国道273号線を行く。
遠くが少し霞んでいる。気持ちいい夏の朝。
あの山々を越えていくと考えるとワクワクする。
途中、タウシュベツ展望台に少し寄り道。
豊かな森を進んでいくと、視界が開けタウシュベツ橋梁が見えた。
1955年に使われなくなったタウシュベツ橋梁。
ちなみに、士幌線にある橋は生い立ちが二つあり、戦前に立てられたものと、糠平ダム建設に伴いかけ替えられたものがある。昨日見た糠平川橋梁はダム建設に伴い建設された比較的新しい方で、タウシュベツ橋梁はその前に作られて、ダム建設により役目を終えたもの。
どちらも役目を終えているけれど、生い立ちや歴史を知ると、重みやそれ自体が持っているものが違ったように見えてくる。
鉄道関係の話をしたのでもう一つ。
少し前に、大学の授業で鉄道に関して調べることがあったのだけど、東京~京都はもともと中山道沿いに建設する予定だったということを知って驚いたことがある。東海道は海運が発達しているためだったとか。あんまり詳しくないのであれだけど、鉄道に求められるものは陸上運送、という視点はきっと強くあったのだろうな、と思う。
そう考えると、今、北海道で鉄道がどんどんなくなっているのは、陸上運送が車に変わったからというのもあるんだろうか。もちろんそれだけじゃないだろうけど、必要とされるものが時代によって変わってきたのかもしれない。
そういうことを考えるきっかけになるから、こういう遺跡はおもしろいし、なるべく立ち寄るようにしている。
豊かな森。
車窓はどんなだったのだろうか。
道へと戻り、再び三国峠へ向かい登っていく。
糠平で既に標高500mほどあるので、峠まではあと600mほど登ればおしまい。つまりそんなにキツくない。
少し進むと両側が綺麗な白樺林に。
ただひたすらに気持ちいい。
さらに登っていると、少し雲が広がってきてしまった。
暗くなってて見にくいけど、画面中央に見える橋が多分、有名なあれ。
あそこに行くまで天気よ持ってくれ。
来ました、有名なあれ。
有名なあれからの景色。
あの有名なあの橋を収めた写真を撮るのは、単純に邪魔になりそうだなと思ったのでパス。多いわけじゃないけど、そこそこの交通量もあったので。
峠自体は斜度も緩く、路面も綺麗なのでとにかく上りやすい印象。
ゆるゆる回していればいつの間についていたという感じ。
その代わりと言っては何だけど、三国峠の展望台からの写真は多めに。
深い森が見渡せる。ひたすらに深い森、森、森。そして連なる山々。ここまで広大で深い森を見渡すことってあんまりないんじゃないかな。
が、峠を越えてからというもの、とにかく向かい風が凄かった。
荷物積んだ自転車で30㎞/hでないほど。
下り坂でよかった。登りなら多分心折れてた。
そのくらい強い風だった。
「峠」って面白いと思う。
峠を越えると天気が一変したり、空気感が変わったりすることが割とある。特に登りきりがトンネルだったりすると如実に感じる。勝手な想像だけど、自転車乗りなら分かってくれる人、多いと思う。
以前、大学の授業で『古事記』を読んでいたときに、教授が「坂と境は同じ語源をもつと言われている」と話していた。
例えば『古事記』の中で、イザナキが、死んでしまったイザナミに会いに、黄泉の国まで行くという有名な話があるけれど、黄泉の国と現実世界の境界の名前が「黄泉比良坂」だったりする。
まあ、だからどうという話ではないのだけど、峠って境界線という感じがするし、この日に関しては、トンネルを抜けたらそこは強風だった、というわけ。
そういうわけで、サングラスを顔にめり込ませながら下っていると、ごつごつした山が増えてきた。
ほどなくして層雲峡なる場所に到着した。
見渡せば、そこら中に岩肌がチラホラ。
そしてどこかリゾート地っぽい雰囲気も。
特に見たいものもなかったので写真だけ撮って、さらに下っていった。
国道沿いに自転車道なる場所があったので行ってみたのだけど、正直あまり走りやすくは無かった。見通しは悪いのでスピードは出せないし、路面は湿って苔むしている場所もあって滑りやすい道だった。しかも、一度入ってしまうと、横目に国道が見えるのに、国道に戻れる道は少なくなかなか戻れない。結局すぐにやめて国道に戻った。
残念なサイクリングルートって、ほんとにもったいないなと思う。
上川町につく頃には、お昼を少し回っていたので、ふらふらとラーメン屋さんへ。
全然知らなかったのだけど、上川ラーメンというものがあるらしく、そんな感じのことが書かれたポスターなんかが貼ってあった。
注文したのは白醤油ラーメン。
チーズと酒粕がトッピングで付いてくる。そもそもトッピングがこれという時点で、ちょっとびっくりしたのだけど、混ぜてみるとこれまたびっくり。案外合う。味わい深くなるというよりは、もはや違う食べ物に変わる感じ。食べるときは少しずつ混ぜた方が良かった。
その後は西へ西へ。
元気があれば大雪高原旭ヶ丘に行くのもありかもなんて思ったけど、疲労と眠気がピークになっていたし、急に雨がパラついたりしたのでパス。
ひたすら旭川を目指していく。
旭川に近くなってからは、川沿いのサイクリングロードを使いながら西へ。
こういう道にも「ヒグマ 〇日目撃されました」なんて書いてあって、ほんとにどこにでも出てくるんだなって実感する。
旭川は久々に大きな「街」で、なんだか「うわー」と思ってしまった。
久々なんて書いたけど、よく考えてみれば、この規模の町に来るのは北海道に来てから初めて。国道のアンダーパスなんか走ると、「ここの道、自転車通行禁止じゃないかな。大丈夫かな」ってちょっと緊張するこの感じ。
旭川に着いてから、最初に向かった春光台キャンプ場という無料キャンプ場が有料キャンプ場になっていたので、大回りして違う無料キャンプ場へ。
次に向かったキャンプ場はちゃんと無料だったので、テントを張って荷物をデポって温泉へ。
温泉から出たら夕日がめちゃくちゃ大きかったので、慌てて撮ったけど、全然伝わる写真にならなかったの図。
温泉から出たらスーパーへ買い出し。
せっかく都市部のキャンプ場。
つまり近くに品揃えのいいスーパーがあるということ。
となれば、ちょっと贅沢して豪華にいきたい!
スーパーのおばちゃん「何か探してるの?」
ぼく「そうですね。なんか美味しそうな北海道産のもので、キャンプ飯に出来そうなのあります?」
おばちゃん「うーん。この辺りのイカとかどうかしら。足は無いけど、その分安くなってるから」
ぼく「…298円って安くないですか!?」
そんな感じで今日はこいつ。
早ゆでパスタと一緒に野菜とキノコとイカを茹でて、ゆで汁は別の容器に移して、ペペロンチーノの素を入れて完成。食べやすいし茹でやすいので、キャンプではペンネを使うことがほとんどです。
夜のキャンプ場で一人晩御飯を作ってると「あ~今、結婚から遠のいてる気がする〜」って思うときがあります。今夜のディナーは北海道産のイカとキノコのペペロンチーノでした pic.twitter.com/oK7khZDRMH
— Tomy (@Tomy_viajar) August 19, 2020
このツイート、頑張って撮った写真よりも「いいね」が付いていて笑った。
皆さん、結婚遠のいているんですねw
コンパクトにたためて、容量も大きいので。生地自体が薄いし肩紐が食い込んでくるので、重たいものはあんまり入れたくないけど、思ってたよりも耐えられる印象。
旅の際には必ず持っていく、個人的ヒットアイテム。
旅の際には必ず持っていく、個人的ヒットアイテム。
こんな感じで15日目はおしまい。
つづく。
実際走ったルート
走行距離143㎞ 獲得標高853m |
訪問日:2020.8.19
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