今回の行き先は赤城山。
言わずと知れた群馬県が誇る名峰。群馬の運動会では紅組・白組とかではなく、赤城団・榛名団・妙義団(場所によっては浅間・白根)みたいに山の名前をつけると聞いたときは、不思議な風習があるもんだと思いましたが、今回はその赤城へ。
スタートは桐生から。
県道16号を登ってそのまま北側の251号を下るルートを選択。おそらくメインルートは16号の西側にある4号だろうけど、メインルートは、あんまりときめかないので交通量が少なさそうな16号で。
県道を繋ぎつつ、16号を登る前に三夜沢赤城神社へ。というのも晴れ予報のはずなのに妙にガスっているというか曇りだったので、少し時間が経てば晴れるかなという希望的観測のもとのお参り。
境内は薄暗く、曇りと相まって独特のずっしり重い景観だった。
ちょっとこんな看板があったので一言。
一応大学で日本語や日本文法を専攻していて万葉集も齧ったので言いたくなるんですが、神代文字は現在では基本的に否定する説が一般的です。
理由はいくつかあるみたいですが、僕が教わったのは上代特殊仮名遣いが無いというのが大きな理由というもの。上代特殊仮名遣いとは「きひみけへめこそとのもよろ」の13音が上代(記紀万葉の時代)には甲類と乙類の2種類があって、それが使い分けられていたと言うやつです。で、その使い分けが神代文字にないので後世の創作だろう云々みたいなことなんですが、これ以上書いてるとみんなブラウザバックしそうなんでやめときます。
まあ、何が言いたいかというと、こういう看板、日本全国色んな場所にありますが、あんまり僕は簡単に信じてないほうが良いのかなと思っている、ということ。読み物としては面白いとは思いますが、それが事実かどうかはまた全く別の次元の話であって、あくまで事実っぽいフィクションとして楽しむのが一番だと思います。
閑話休題。
この神社は相当古いらしく、古文書何かもあったよう。
さて20分ほどゆっくりしたものの晴れ間が見えないのでヒルクライム開始。
しっとりした山の中をゆく。
斜度は思っていたよりもきつく、結構楽しい感じ。
実は今回は新しい機材を3つ入れていて、1つ目が36tのスプロケ。
これが効果絶大。パワーが無い僕にとって軽いギア比は正義だと何度もこのブログで書いていますが、GRXの46-30tのクランクと併せて使えば、多分オンロードなら登れない坂はないと思えるほど。これで登れなければ、己の肉体を鍛えよう。
ちなみに2つ目はサドルバッグ。初めてのレベレイトデザインですが、今まで持っていたサドルバッグで一番揺れなくて割と良さげ。ただいまいちと思うところもあるので、もう少し使い込んでからじゃないとなんにも言えないかなと言う印象。第一印象は78点くらい。
3つ目はブレーキパッド。これは単純に興味でベスラというメーカーのものを入れてみたのですが、中古で買ったBB7についてきたものと比べて、立ち上がりが早くかつ滑らかな感じがして、好印象。ただ、数回使ったらもう分かんなくなりました。(鈍感)まあ、最初に「良い」と感じたので次も同じのを買うと思います。
あと、ベスラはクロスカントリー向けや、ダウンヒル向けなどいくつか性能の違うパッドを作っていて、せっかくなのでフロントにクロスカントリー、リアはエントリーモデルのトレールを入れたんですが、違いは全く感じませんでした(めっちゃ鈍感)。次は両方トレール買うと思います。
さて、そんなこんなで登りつつ進んでいるけど、天気は好転せず。登りはというと最初の登り切りの牛石峠まで大体12㎞で1000mほどアップ。斜度は平均で8%ほど。ゆるゆるとは言えない登り。36tにだいぶ助けられた。
赤城山パノラマ展望台からの景色もこの通り。
パノラマとは。
ただ、その先牛石峠の手前辺りから雲の切れ間から青空が顔をのぞかせるようになってきた。これは、もしかするともしかするかもしれない!
で、丁度ここが牛石峠。
空の様子はと言えば、まさにちょうどここから南側が曇りで北側が晴れ。山で雲がブロックされているようだった。今まで登りで曇りの時は大抵山頂でも曇りだったことばっかりだったし、どうせ今回も天気予報に裏切られたんだろ、とか思っていたので、こんな風に天気が裏切ってくれて嬉しい限り。さらに進むと、さっきの曇りがウソのように、完全な晴れに変わった。
10月半ばだけど、山の上では完全に秋。
落葉が始まっており、もう落葉しきっている木もあった。
こんな道を走りながら、三脚持ってこればよかったなあ、と思った。大抵持ってきたときは「まああって良かったな」くらいにしか思わないのに、忘れた時や持って行かないという判断をしたけど、持ってこればよかったと後悔するときは「あああああああああああ!」ぐらいのテンションになる。迷ったらもっていかないというのも、軽量化だったりフットワークの軽さにはつながるけれど、迷ったら持っていた方がいいものあるから厄介。荷物の選定は難しいし、それも含めてお出かけ。
八丁峠を越えると、一旦山頂カルデラ湖へ向けてダウンヒル。
と、その前に大沼小沼見晴台へ。場所は小沼駐車場から歩いて5分ほど。
小沼側は完全に逆光だったので大沼側のみ。
ナイスビュー。右側から雲が流れているのが分かるし、実際うねうねと雲が侵入を試みているみたいに動いていた。山の天気は変わりやすいのも良くわかる。
校外学習に来ていると思われる小・中学生も結構いて、なるほど群馬県ではそういう場所なんだな、と思った。千葉県でいうマザー牧場的なそういう立ち位置っぽい?(千葉県民にしか伝わらないやつ)
丁度時刻は正午すぎだったのでビジターセンターの隣におしゃれなカフェを発見したので、そこで昼食をとることに。
目にも美味しい!
おしゃれで美味しかったけど、腹にはたまらなかった。
美味しかったからいいんだけど。
気を取り直してリスタート。
午後は補給食を撮りながら行きましょ。
麓の赤城神社に立ち寄ったので、赤い橋が特徴的な山頂の赤城神社はパス。
前述した小中学生がわいわいやっているのが遠目にも見えたというのもあって。元気な小中学生を見ると、元気だなあと思うけど、それは遠目で見ていれば十分だし、境内はどっちかっていうとゆっくりしたい派なので。
さらに北進。
五輪峠までは若干の登りだけど、それを越えると山頂カルデラから出て、ここからは本格的なダウンヒル。「命を大事に!」とか「スピード落とせ!」とかいう看板がたくさんあって、走り屋にとってはそういう場所なんだなって思った。
タイトなカーブが続く道を安全第一で下ると、向こう側に薗原ダムが見えた。
なるほどあそこまで下って、そこからまた登るのね。
まさしく片品川にえぐられた地形という感じ。
一旦薗原ダムはスルーしてその先のとある場所に向かった。
それがこの橋。
ダム湖にかかっている橋って大抵景色がいいイメージがあったので寄ってみた。ちなみにこの記事を書くために、この橋の名前は何て言うんだろうな、と思って調べてみたら心霊スポットとか書かれていたのでそっ閉じした。世の中には知らない方がいいこともある。(その手の話は苦手)
写真だけ見ればいい場所だと思うでしょ!
写真だけ見れば!
その後は今来た道を戻って南進開始。
薗原ダム。
山中に急に現れる巨大人工建築物。
そのコンクリートと鉄筋に力とパワーを感じた。
片品川と並行する県道257号を少しだけ走った後、左折して利根沼田望郷ラインへ。河岸段丘登り返し。赤城山を越えた足には結構くるものがあった。
秋の空。
赤城山の方みたいに落葉や紅葉はしてないけど、それでも秋を感じるには十分の雰囲気。足が疲れたので休憩しながら。無理をしたって後で疲れるだけだし、そんなに急いでも速くもならない。
河岸段丘を登りきるといきなり景色が開けた。
ちなみに、この文章を書くために色々調べていたら、群馬県ではみんな知っている(らしい)上毛かるたでは「裾野は長し赤城山」と読まれている、ということを知った。もちろんここは赤城山の西側の裾野に当たるわけで、なるほど「裾野は長し」。
段々と日が傾いてきた。
南西方向に向かって走っているので完全に逆光で日差しが眩しかった。ので、撮っている写真も方向を反対にして撮ったものばかり。この時間帯に走るなら逆向きに走りたかったかも、と思った。
とにかく開けていて気持ちがいい。
目の前に広がる西側の山々のパノラマが楽しめるほど。
交通量もないわけではないけど、そこまで多くなく、解放感に存分に浸れた。利根沼田望郷ライン、とても良い道でした。
その後は渋川の少し手前でからっ風街道という道に乗り換え、南東方面へ。「かかあ天下とからっ風」という表現で有名な群馬の強風を思わせる道。冬に赤城山から吹く赤城颪がとても強烈で自転車が進まないとか、その風に鍛えられた群馬県民の脚力が凄いとかすごくないとか。とはいえ、まだ秋の空の10月なので風は穏やかで、特にからっ風感は無かった。
淡々と進んでいると、夕暮れを通り越し日没。
暗くなるのが早くなったなあ、と感じながら、重くなった脚をゆっくり回しながら進んだ。
遠くに見えるは前橋の夜景かな。
獲得標高は2500mを越え、さすがに今日も疲れたと思いながら、広い赤城山の裾野を下り赤城駅に到着。
ゆっくりしたかったけど電車が出るのがあと10分ということだったのであわただしく輪行準備をして、駆け込み乗車にならないぎりぎりのタイミングで電車に滑り込み、自宅へと帰った。
赤城山は初めてだったけど、なかなか良い場所だったな、という印象。もしまた行くなら利根沼田望郷ライン辺りの農道の裏道をつなぎつつ、もう少し走っても面白そうかも。もしそこなら秋に行くよりも春だったりの畑に緑がもっと多い時期に行く方が見られる景色も良さげかな、なんて思いながら、また次のライドの計画を考えている今日この頃です。
おしまい!
実際走ったルート
走行距離:114㎞ 獲得標高:2570m |
訪問日:2021/10/15
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