この記事では冬の北海道で使用した装備について書いていきます。
前回の記事でも書きましたが、「この装備で冬の北海道に行ける」とは絶対に思ってほしくないです。あくまでも行けたサンプルが1つあるだけに過ぎないので。くどいようですが、これは僕の備忘録で、もしかしたら参考になる人がいるかもしれないし、いないかもしれないし、どこかが参考になる部分があるかもしれないし、無いかもしれないくらいでよろしく。
それでは以下、本編を。
まずは服装から。
・服装編
上半身
・普通のサイクルジャージ
上半身は上記の通り。
インナーを汗の乾きが早い化繊ではなく、あえてメリノにしたのは洗濯を減らすため。8日間で結局一回だけ洗濯しただけでした。自分の体臭は気が付きにくいといわれているので断言はしないけど、このくらいなら全然許容範囲内。ジオラインも持っているけれど防臭効果はメリノのほうが全然上。そもそも今回はほとんど肌に触れるものはメリノしか使っていません。メリノ万歳。メリノを信じろ。とはいえメリノだと汗の乾きが、というのもあるので、それを見越して上半身は薄手にしました。
ただ、薄手のインナー1枚だけだと寒いので厚手の腹巻きもセットに。効果的に冷却したり汗を乾かしたいのは脇だったりするけれど、腹部は暖かさを守っておきたいという狙いもあって薄手のインナーに厚手の腹巻きにしましたが、これは割と狙い通りに効果を発揮したと思います。あと、上のインナーとタイツの間にできてしまう隙間を埋めるという地味だけど大事な役割もしっかりと果たしてくれました。シャツインすれば良いというのもあるけれど、トイレのあととかどうしても露出してしまう場面もあるし、それが外気温-15℃とかになるとその隙間がかなり致命的な冷えに繋がったりするので。
腹巻きがジオラインなのはサイドジッパーがついていて着脱が簡単なモデルがジオラインしかなかったからです。冬なら着脱しない(そこまで暑くなることがない)ので、サイドジッパー無しのモデルでも良いと思うけど、秋や春の普段のサイクリングでダウンヒルや朝の体温が上がる前の時間とかにも使いたかったのでサイドジッパーありのモデルを購入しました(どっちかというとそっちがメインで冬チャリはサブ用途)。
・普通のサイクルジャージ
腹巻の上にはtwinsixの化繊の普通のサイクルジャージを着ていました。これは防寒というよりも、背中のポケットにモバイルバッテリーや替えのライト、カメラの予備バッテリーなんかを入れておく、いわばバッグ的な要素のほうが強い使い方。電池類も寒さで消耗するのでその消耗を最小限に抑えるために体温で温めておこうという目的でした。
中間層にはmont-bellのトレールアクションパーカを選択しました。これはフードがバラクラバ的に使えるやつで、荷物を減らしたい(管理が楽になるから)という目的でこれを購入。結果は上々。暑くなればフードを取ればいいし、チャックの高さである程度顔周りの防寒を調整出来たので、バラクラバを買うよりも良かったかもしれません。
ただ、チャックの部分が直接顔に当たっていると硬さを感じるので、ネックウォーマーの類と併用することをお勧めしておきます。内ポケットには予備のインナーグローブを入れていました。ここなら絶対に無くさないし何かあっても多分自分から離れることはないはず。胸ポケットにはスマホを入れて電池の消耗を防ぐようにしていました。
悪かった点は、まあ購入前から分かっていた事ですがシルエットがモンベルなので「細身のシルエット」とあってもやっぱりややダボつくこと。これは僕が細いというのもあるかもしれません。女性用とかにすれば良かったかも。あとフードもやや大きく余る部分があったけど多分これも僕が(ry
アウターにはTeton brosのbreath jacketを。これはハードシェルとかではなく普通のレインウェアです。雪山ならハードシェルが必要だろうけど、氷との接触があり、アイゼンやピッケルを使うような雪山と違い、サイクリングではそこまでの耐久性や耐摩耗性は不必要であり、また滑落の危険性もないので雪面で滑りにくい機能も要らないといったことを考えた結果、レインウェアにしました。結果、今回のツーリングでは特に問題なく走行できました。
確かに風雪を防ぐウインドスカートや、ゴーグルが曇りにくくなるエアレーションなどは「あったほうが良い」とは思うので、予算が許せばハードシェルのほうがいいかもしれません(使ってないのでなんとも言えませんが)。
breath
jacketの話をすると、特にトレランとかを意識したモデルらしく、プルオーバーなのに細身というなかなか攻めた商品。ハの字のジッパーを開くと効果的に脇の下に風が通るのでサイクリングとも相性は◎。ほぼオールシーズン着ていて、個人的にはこれが壊れるまではこれで良いかなと思えるくらいには気に入ってます。値段が高いことが唯一の弱点。気が向いたらこのジャケットのレビュー記事書こうかなとも思います。読みたい人は言ってもらえたら多分書きます。
普段のサイクリングから愛用している
(photo by イナさん)
朝やダウンヒルなんかの寒いときに着ていたのがmont-bellのサーマラップパーカ。化繊綿のインシュレーションです。いわゆるアクティブインサレーションと呼ばれる類のもの。ULサーマラップというさらに薄いモデルもありますがそっちじゃなくて厚めの方。最初は防寒着にダウンを購入しようと思っていましたが、雪山やる人から「行動中に着られないダウン買うぐらいなら、行動中でも汗かいても大丈夫な化繊がおすすめ」ということでこれにしました。
朝で着込んでいてヒルクライムをして汗をかいてしまうなんて場面もありましたが、特に問題なく。ただ絶対的な防寒力はダウンと比べれば低いので、ダウンヒルとかでは少し寒い場面もありました。ただ、じゃあダウンにするかと言われたらしないです。やっぱり濡らさないように管理するのが面倒なので。弱点はモンベルシルエットなので袖とかがダボつ(ry
下半身
・adidasのジャージ
インナーは上と同じでメリノ。ジオラインにしなかったのも同じでニオイ対策。厚手にしたのは寒いと膝やふくらはぎなんかを痛めそうと思ったのと、上半身に比べて発汗量が少ないからです。特に昼間は稀にプラス温度域になることもあったけど、ビチャビチャになることも無く、反対に-20℃でも寒すぎると感じることもなかったです。確かにインナーの値段としては少しビビる値段だけど、その価値はあったかと。
・adidasのジャージ
中間着にはだいぶ前に買ったadidasのジャージ。雪山やる人が、中間着には薄手のフリースかジャージがオススメということだったので、とりあえず家にあったジャージを霧降高原、ビーナスラインと使って、特に問題なかったので北海道でも投入。北海道でも問題ありませんでした。インナーが厚手なら、中間着がフリースだと暑かった(暑すぎる)かもなと思ったりしています。
アウターにはmont-bellのペダリングパンツライト。普通の薄手のトレッキングパンツを自転車用に作ったモデル。上半身同様、雪山ならハードシェルが必要だろうけど、雪道ガンガン歩くわけじゃないし、上半身以上に必要なものがだいぶ違うのでこれで行けるだろうと判断して普通のパンツを選択。かなりストレッチがきくのでペダリングはしやすいし、細身でバタつきも無いので、冬に限らず色々と重宝しているズボンだったりします。
しれっと新商品で出てたモンベルのペダリングパンツ ライトを最近買ったのだけど、結構調子良い。生地はクリフライト系の2方向のストレッチで今まで買った中で一番動きやすいズボンかも。何よりこの細さで「モンベル」なんだぜ。 pic.twitter.com/jEVtBoWoaZ
— Tomy (@Tomy_viajar) April 21, 2021
撥水もある程度きいているので、雪解け水を巻き上げても、染み込むことはほとんどありませんでした。冬用として考えるならベンチレーションがあると花丸だけど、薄手のパンツなので要らないといえば要らない。これに関しては褒めるところしか無いかもです。
顔周り
・メリノウールの耳付きサイクルキャップ
・メリノウールの耳付きサイクルキャップ
サイクルキャップはインナー同様ニオイ対策でメリノを。トレールアクションパーカのフードがあるなら要らないと思われるかもしれないけれど、フードじゃ暑いけど防御ゼロだと寒い場面というのがあったので、あって良かったです。基本的に昼間はフードは外してサイクルキャップ一枚で走っていました。あと僕の顔には大きすぎたトレールアクションパーカのフードがヘルメットに押し付けられて下がってきて、視界に入り込んでしまうという現象を帽子のツバで防ぐという重要な役目もあったりします。
mont-bellのサイクルフェイスウォーマーは霧降高原を走ったあとにわざわざ買い足したもの。ネックウォーマーでも良いんですが、これのメリットは口が開くので鼻・頬・口保護モードと鼻・頬・口をガードしつつ鼻の穴だけ露出モード、鼻・頬のみ保護モードの3タイプができること。息が上がったけど、鼻・頬はガードしておきたいときとかもあったのでこの機能はかなり便利でした。確かに鼻だけ開いてるバラクラバなんかもあるんですが、口も開くとなるとほとんど無いようです。
フルガードモード
鼻の穴だけ出すモード
口も出すモード
ネックウォーマーモード
ただ若干落ちてきやすく、耳が露出してしまったり、それに伴って頬ガードが落ちてしまったりとかがあったのでバラクラバverがあったらそっちがほしいです(モンベル作ってくれ)。それと、普通のサイクリング用ウォーマーなので冬季北海道で使うには防寒力は低いと感じました。普通のときなら十分ですが、朝やダウンヒルはこれ単体だと結構厳しいので、フードがバラクラバになるものを併用するか防寒性高めのバラクラバを交換用に持っていたほうが良いと思います。
あとはバラクラバが凍るなんて話も聞いていましたが特に凍ることはなかったです。もちろんある程度ベチャベチャにはなりますが、それはどのフェイスウォーマーも多分同じ。
ゴーグルはモンベルのものを。レンズは悪天候時に生きるようにコントラストが強調されるHD(ハイディフィニション)モデルを選択しました。実際は晴れの日でも使いましたが(というかそういう場面の方が多かったかも)、特に問題はありませんでした。レンズ交換ができない分安いモデルにしました。
サングラスはbolleのsifterの調光レンズモデルを持っていきました。冬に限らずオールシーズン使っているもの。
3年使って傷だらけになったサングラスを最近新調したのだけど、ミラー調光って思ってたより便利 pic.twitter.com/ZIdeEweVea
— Tomy (@Tomy_viajar) September 5, 2021
サングラスとゴーグルの使い分けですが、基本はゴーグルで暑いタイミングや、ゴーグルが曇ってしまった場合のみサングラスを使っていました。ゴーグルは確かにもっとも大きい役割は目の保護ですが、あれは着けていると暖かく実質防寒着でもあるので、朝の寒いタイミングからずっとつけていました。そうなると交換するのも面倒なので、よっぽど暑くなるタイミング(ヒルクライムなど)以外はほぼずっとゴーグル。あと、雪が降るタイミングはあまり多くはありませんでしたが、そういう場面はサングラスだと雪が入り込んできて走りにくいことこの上ないので、ゴーグルは用意した方がいいと思います。
手周辺
インナーにはトレールアクションを。ストレッチ性がいいので操作がしやすく、ある程度暖かくて、春秋のサイクリングにもよく使っているグローブ。これで十分だったけど、もし予算が許すならGORE
WINDSTOPPERとかの生地をつかった、しっかりと撥水性があるモデルでも良かったかもとも思いました。というのも輪行準備の時だったり、その他の細かい作業のときに雪が付着すると手袋が少しだけ濡れてしまったりすることがあって、そこまで雪が多くない場所だったから良かったものの、もう少し雪が多い場所だったらこれじゃない方がいいなと思ったりもしました。
アウターにはmont-bellのアルパイントリガーフィンガーミトンにしました。最初はスキー用の化繊わざわざが封入されているパウダートリガーフィンガーミトンにしようと思ったのですが、ハンドルを握ったときに中綿が中でグニャグニャにズレてしまってこれは怖いなと思ったのでウールのインナー付きのアルパインモデルに。トリガーフィンガータイプにしたのは防寒性を重視したからです。五本指のほうが操作性はいいけれど、テントを張ったりといった細かい作業が無いので防寒性優先で選びました。実際はダウンヒルの途中や朝早い時間などは人差し指が少し寒く痛いと感じる場面もあったので五本指にしなくて良かった、と思いました。
あと、風に飛ばされたりすることを防ぐためにアウターにはグローブリーシュを付けていました。これもあって良かった装備。アウターが無くなるとかなり詰んでしまうので、どうせ数百円だし買っておいて損はないと思います。
暖かさとコスパを重視するならハンドルカバーだろうけど、自分が使っているギブネールとの相性が悪すぎるのでやめました。それと前述しましたが予備のインナーは濡れや紛失を考えると用意した方がいいと思います。
足周り
靴はmont-bellのネージュウォーカー。保温材の入った冬用の、スノーシューなんかを想定している靴。アウトレット品もあったけど、足首が動かしにくかったのでプロパー品を購入。ペダリングがしにくいことも無く快適でした。あと、MTB用のピン付きペダルを使用していましたが、割としっかり食いついてくれたのでその点でも◎。
靴下はメリノウールのエクスペディションを。mont-bellは極厚手のアルパインと超極厚手のエクスペディションがあるけれど、超極厚手のエクスペディションでも-15℃を下回ると寒かった(感じ方には個人差あると思います)ので、寒さに強いか、靴がかなり暖かいものじゃないならエクスペディションを勧めておきます。個人的には一番改善点があると思うのは足回りで、朝の寒さはやっぱりきつく、小指の感覚が無くなりかけて少し焦った場面もありました。VBLとかやるべきなんだろうかとか考えたりもします。
スパッツはmont-bellのストレッチの効くものを選びました。正直ショートスパックでも良かったし、何なら無くても良かったのですが、裏道に突っ込んでいったら除雪されてない道にぶち当たって、数百メートル押し歩きしたときや、足首までしっかり埋もれてしまうような雪のある展望台を歩いたときは「買っておいて良かった」と思いました。無くても困らないけどあったら助かる装備だと思います。ちなみにこのモデルを選んだのは一番動きやすかったからです。ずり落ち防止の芯入ジッパーが使われているモデルだと、そこが固くて動かしにくかったりしたので。この辺りは自分で試しにお店で装着することをオススメします。
スパッツが無いと思いっきり雪が入りこんでしまう
以上が北海道で実際使った服装です。モンベルばっかりになったのは、いろいろと個人的な理由もあったりしますが、コストパフォーマンスを考えるとモンベルでそろえるのがいいんじゃないかなとは思います。
これで大体-20℃〜0℃くらいを走りました。途中でも書きましたが個人差あると思うので、あまり当てにされると困ります。もしかしたら参考になるかもしれないくらいで読んでください。
持って行ったけど使わなかったもの
・ダウンベスト
・レインパンツ
この二つは寒かったら使おうと思って持っていきましたが一度も使わず、なんなら途中から宿に置いていったりしてました。こういういらない装備を置いておけるのが滞在型ツーリングのメリットでもあったりしますが、上記した装備で今回の寒さは凌げました。一応参考までに更なる備えをしていて、我慢をしていたわけではなかったことも書いておきます。
・自転車装備
次に自転車装備。
今回はKona Sutra。
普段から使い倒している自転車なので特段書くことも無いですが、冬仕様として、2つちょっとしたチューニングを施していきました。
まず1つが、フロントギアのシフトワイヤーにライナー管をつけること。
これは霧降高原を走ったときにGatさんから言われたことで、路面の雪解け水をタイヤが巻き上げそれがフレームにつくと、それがワイヤーごと凍ってしまい変速不可になることがあるので、カバーしたことが良いとのこと。
簡単につららができる
普段のサイクリングならほとんど要らないけど、これに関しては僕もやって良かったと思ってます。ライナー管は古いアウターワイヤーから錬成しました。
2つ目が、ブレーキ部にグリスをたっぷり入れたブレーキブーツを付けること。
これはブレーキワイヤー内部に水が入り凍結することを防ぐ目的でつけました。実際、ちゃんと仕事をしていたのかは不明ですが、ブレーキが凍結して引きが重くなるということは一切無かったのでそれなりに仕事をしたんだと思ってます。ちなみに使ったブレーキブーツはVブレーキ用のもの。まあこれは水さえ防げればあとは何だっていいと思います。
ここまではまあ、細かいチューニングの話。
今回の車体における一番のポイントはタイヤでした。
選んだのは45NRTHのKHAVAの27.5×2.1。
大学生の冬北といえば多分ほとんどの人がシュワルベのウインタープラスを使う人が多いだろうし、値段も手ごろなので最初はそれに気持ちが傾きかけていましたが、雪道はとにかくエアボリュームだ、という意見を経験者から多く聞いたので、こちらにしました。
冬タイヤの変遷は、マラソンウインター29x2.0⇒同700x40c⇒45NRTH KAHVA 27.5x2.1です。
— ゆー@冬チャリ (@YN_Chinook) November 18, 2021
フラットな凍結路面だけならマラソンウインター40cでもOKですが、新雪や凸凹氷では接地面の狭さから不安定なので、タイヤ接地面が平らでエアボリュームのある45NRTH KAHVAに乗り換えました。
3列に渡ってピンが打ち込まれており、走行抵抗も走行音もなかなか。アスファルトだと常にジャラジャラ鳴って地元で乗ると二度見どころか三度見くらいされます(恥ずかしい)。シュワルベウィンター系に代表されるような、空気圧を上げるとピンが路面に当たらなくなるタイプのタイヤとは志向が大きく異なります。登りは辛く、平坦も20㎞/h前後くらいまでしか出ないです。
それでも結果としてはこれにして良かったと思います。
どのくらい良かったかというと、このタイヤを使いたいがために650bホイールを購入するくらいの金額をかけたけれど、それぐらいの価値は間違いなくあったと思うくらいには良かったです。というのも、轍が出来てしまっている場所なんかでハンドルを取られたり、あるいは雪にハンドルを取られてしまって、夏用タイヤで使っていた38cの感覚だと「あああああああああああ」と思う場面でも2.1インチの太さとピンに助けられた回数は片手じゃ数えられないくらいありました。主要道を走るのではなく裏道で遊んでいた僕にとってはかなりありがたかったです。
45NRTHのタイヤは良かった。初スパイクで比較対象が無いからってのもあるだろうけど、少なくとも現段階で違うのにしたいとは1ミリも思わない。確かに重いけど、フカフカ雪のある登りのトラクションと下りの安定感を考えるとこの程度の太さは必要 pic.twitter.com/qlz0RyHFeJ
— Tomy (@Tomy_viajar) January 24, 2022
ただ、じゃあ、これが全員にお勧めできるかというとそれは若干違うんじゃないかなと思う部分もあります。というのも結局、道具は使う人の技量と何をしたいかによって生きたり死んだりするのは当たり前の話で、それはスパイクタイヤも同様だと思います。
S.K.さんがこの記事で「タイヤもあえて雪上の走破性が劣るマラソンウィンターを選択した。その理由は、道東の主要道は意外と積雪が少ないからで、アイスバーンどころか雪の全くないドライな道も多いのだ。」と書かれているように、道東の主要道をつないでロングライドをするなら正直、KHAVAでは役不足路面が多すぎてお勧めできないと思いました。
とはいえ僕がしたかったのは裏道で雪のある圧雪路を走ることだったのでKHAVAでよかったと思いましたが、道東の国道や道道のロングライドをするなら、(使ったことは無いので断言はできないけれど)自分もマラソンウィンターにしたいなあと思います(というかそれなら夏用タイヤでもいい気もしなくもないくらいに雪が無いところ無い)。
バッグ類はいつも使っているものを。
ハンドルバッグはROCKGUEST。
フレームバッグはOUTERSHELL。
サドルバッグはREVELATE DESIGNS。
信頼と実績のバッグたち。
それに加えて今回はサコッシュ(RawLow Mountain Works
TABITIBITOTE)を肩からぶら下げていました。
これに関しても普段から使っているので何か特別書くこともあまりないのですが、フロントバッグとサドルバッグは、冬ということを考えるとしっかりと防水性があるもののほうがベターだと思いました。融雪剤が撒かれていたりする関係上、雪解け水を巻き上げることが多く、それがもろに被るので。
あと、サドルバッグの真ん中の紐とバックル部は巻き上げた水が凍っていたので、気になる人は避けてサイドで止めるタイプのほうがいいかもしれません。(バッグが開けられないといった実害はない程度でしたが)
バッグに入れていたものを書くと
フロントバッグ
・カメラ2台(OM-D機、GR)
フレームバッグ
・三脚
・地図
・鍵
・携帯工具
・ディレイラーハンガー
サドルバッグ
・予備靴下
・タオル
・エマージェンシーシート
・サーマラップパーカ
・輪行袋
・レインパンツ
サコッシュ
・財布
・カードリーダー
・ゴーグルorサングラス
・その他小物
という感じ。
これもいつもとあまり変わりはなく、ハンドルバッグにはすぐ取り出したいカメラを、フレームバッグには重いものを、サドルバッグにはかさばるけれど軽いものを、それぞれ入れていました。
これはサイクリング中に気を付けていることなんですが、必ずどこに何を入れるかは決めた方がいいです。というのも僕のように息をするように無くし物・落とし物をする人間は特にですが、どこに何があるか混乱すると飛躍的に無くし物・落とし物が(そしてそれに気が付かないことも)増えます。できるだけ行く前に練習を何回か行ったり、あるいは想像を膨らまして、最適な場所を前もって決めておく方がいいんじゃないかとは思います。
フレーム内のボトルケージにはナッツ類を入れた100均のプラボトルとチューブを入れたツール缶、フォーク横にはモンベルのアルパインサーモボトルをそれぞれ入れていました。ナッツ類をプラボトルに入れておくのはかなり便利で、アウターグローブを外さずに開け閉めが出来て、後は口に流し込むだけ。寒いと言うだけでエネルギーをそれなりに消費するので、こまめにかつグローブを外したり、ビニールを空けるといった細かい作業が無く補給できるのはかなり良かったです。
アルパインサーモボトルの中にはホットはちみつレモンを入れていました。必ず温かい物を飲むようにして内臓を冷やさないようにすることと、エネルギー補給を狙ってという2点からです。毎朝、濃縮版のはちみつレモンをポットのお湯で割って準備していましたが、夕方になっても温かいままでした。(こういう準備ができるのは滞在型ツーリングの強み)。
・最後に
先述のとおり、この装備で行けたサンプルが1あるだけなので、あまり参考にされると困ります。あと、北海道の装備を決めるにあたって基準としていたのは、S.K.さんの記事でもありましたが、「これに命を懸けられるかどうか」です。まだ僕は死にたくないなと思っているので、この装備でもし痛い目に遭ったとしても後悔しないと思えるものを第一前提として考えていました。もちろん、「まあまあのお金をかけたな」という自覚はありますし、もっと安くできた部分もあるかもしれません。でも、その安さで削ったものが未来の後悔に繋がらないか、というのも結構大事な視点のように、北海道から指一本凍傷にならずに無事に帰ってきた今でもそう思います。
それと一緒に、装備を考えるうえで大事にしていたのは「これを危険だと思っているうちは安全である」ということ。逆説的かもしれませんが、でも、「冬の北海道でも、天気の安定している道東でしょ」と舐めればそれはたちまち最悪の結末が近くなるように思います。ましてや、経験のない人間なので、そのあたりの「命を懸けられるか」「どこまで危険と思っていられるか」という視点は絶対に忘れないようにしてました。
この2つを考えつつ、自分なりの装備を考える時間というのも、それはそれでまた楽しかったりはします。もし何か気になる点などあれば、半紙くらいの薄っぺらい経験しか無いですが、答えられる範囲で答えるつもりではいるので、なにかあればコメント欄にでもDMでもどちらでもどうぞ。
以上で装備編はおしまいです。
次回以降は走った記録となります。
つづく。
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