冬の岡山瀬戸内海ライド 岡山~牛窓~虫明林道

今回の舞台は岡山。
すーさんさんささんと。
事の発端は、紀伊半島横断ライドの帰りの電車。
「また一緒に走りませんか?」
「いいですね、12月の半ば空いているんですが」
「あ、僕も空いていますね」
「牛窓に気になる林道があるんですよ」
「もしかして虫明ですか?」
「ですです」
「じゃ、そこに行きましょうか」

なんてテンポで決まった今回のライド。



スタートは岡山駅の手前の万富駅。
そこからまずは、川沿いに走って瀬戸内海を目指す。

「温暖な瀬戸内海型気候」と小学生の頃か、覚えた記憶があるけれど、この日は本当に寒かった。冷たい風が強く吹き付け、なんなら途中雪がちらつくぐらい。写真じゃ伝わらないだろうけど、北風がビュービューと吹き付ける、紛うことなき冬の日だった。




川沿いの道からちょっとした丘を越えると瀬戸内海が見えてきた。


穏やかで独特の透明感のある瀬戸内海。
遠くに見える島々と右手の山の感じだけで、「ああ瀬戸内海だ」と思う景色。




先に日を決めてしまっていたライドだったけど、天気がよくてよかった。


危險。
異体字好き。



アップダウンがひたすら続く。
そのおかげで飽きがこないし、景色が立体的に見えるから面白い。が、海岸線をのんびり進むという感じにはならない。割としっかりサイクリング。ちゃんとした峠なんて一つもなかったけれど、最終的に累積した獲得標高は峠越えのライドと同程度。





瀬戸内海の透明さって瀬戸内海にしかない何かがあると思う。
海というよりも、本当に綺麗な川っぽいと思うくらいには透明度が高い。




お昼ご飯は岡山名物えびめし。
色が色だからだいぶガツンと来る味なのかと思ったら、そうでもなくてソースの香ばしさと海老や卵とが調和していて、とてもおいしかった。一度食べてみたいと思っていたので大満足。別に岡山じゃなくても食べられるだろうけど、ご当地名物はご当地でたべてこそだと思う。ご当地で食べる、という行為も体験の一部。


ごちそうさまでした。


リスタートしてからは海沿いらしい、よい路地を走る。好き。





海沿いの猫ちゃん。
ちょっと眠そうだった。



よーく見ると蜃気楼。
島が宙に浮いている。


海沿いを走っていたと思ったら、いきなり細い山道。
細く背の低めの木が多いのが特徴的。
海の近くってこういう場所があるイメージ。




虫明湾をすぎてからは再び山道を登り虫明林道へと進む。
天空の大空テラスのわきから林道へイン。



路面はそこまできつくなく、総じて走りやすい林道だったと思う。若干狭路かつ斜度のある区間(上り下りとも)もあったけれど、林道として考えれば平均的。砂利道と舗装は半々ぐらいの割合だった。








不思議な景色だったのが、林道中盤にあったここ。
山道から急に開けて、空き地っぽい感じで海抜は限りなく0mに近くすぐそこは海。ただ、なんというか、言語化しずらいのだけど、日本っぽさがあまりない。じゃあどこなんだよ、と言われると答えに窮してしまうのだけど、今まであんまり見たことのないような、不思議な寂しさのある場所だった。

まばらに生えた細い木々が荒涼とした雰囲気を醸し出していて、日が傾きいくぶん冷たくなった風が吹き抜ける。波の音もあまりしない穏やかな瀬戸内海が、すっぽりとその雰囲気を全て吸い込んでしまったように包み込んでいて、ちょっとした怖さすらあった。

すーさんと「ちょっとこわいですねここ」なんて話をできたからよかったものの、一人だったら立ち止まらずそのまま駆け抜けていたかもしれない。



こうやって写真を見てると、穏やかでいい場所に思えるのだけれど。その場でしか感じ取れない雰囲気って絶対あるし、それは楽しい方にも、ちょっと怖い方にもあるのだな、と再確認する不思議な場所だった。


体が(と心が)冷え切る前にリスタート。
ここからは瀬戸内海を見ながら曲がるグラベルカーブも。
景色を見たいけど、路面も見ないと瀬戸内海にダイブしてしまうジレンマ。
目線をどこに向けるか難しすぎる。



この辺で林道は終わり。

今回は一筆書きでぐるっと回るルートだけを走ったけれど、地理院地図と航空写真を見ると、もう少し楽しめそうな支線がありそうなので(今度はもう少し暖かいタイミングで)、再訪したいところ。

林道を抜けてからは西へ…行きたいところなのだけど、だいぶ大回りして細かい津々浦々を回りながら日生へ進む。岡山ブルーラインを走れば一直線なのだけど、残念ながら自動車専用道。しまなみ海道みたいに、歩道や自転車の通れる側道をつくってくれたらなあ、とちょっと思ってしまった。そうすれば、もう少し虫明はじめ牛窓エリアに足を延ばしやすくなるのになあ、と。


日生に着く頃には夕暮れだった。
前述の通り天気が良かったので、「夕日でも見ませんか」という話になったので、一旦駅までついたけれど、再び開けた場所に行くことに。

「こっち、展望台あるって看板ありますよ…?」
「あ、ほんとですね。いってみます…か?(なんか坂っぽいな…)」
「そう…ですね、行って…みますか(あれ坂っぽいな…)」

という会話を交わして、みなとの見える丘公園という場所へ。
知ってる。こういう会話した後、だいたい急な坂が待っていることを。そして、実際そういう坂だったことも。

「あれ、ぐいぐい上りますねここ(やっぱり)」
「ですね。足に来ますわこれ(やっぱり)」

なんて会話をしながら斜度15%超の坂をえっちらおっちら上った先がこれ。



ちゃんと綺麗に景色が見える展望台でよかった!
(この斜度登って、木に視界遮られている系展望台だったらちょっと泣く


すでに太陽は沈んでいたけれど、これ以上なく綺麗なマジックアワー。冬で空気が澄んでいるからか、いつもよりさらに綺麗に見えた。




日生に下ってからは晩御飯ということで、「カキオコ」をば。
「カキオコ」とは何ぞや、というと「牡蠣」の「お好み焼き」。


プリプリの牡蠣が入ったお好み焼き。
牡蠣の入ったお好み焼きを食べるのは初めてだけど、食べる前から分かる。こんなの美味しくないわけがない。エビやタコなんかが定番の具材としてあることから分かるように、海鮮系とお好み焼きの相性は抜群な訳で、しかもあの牡蠣なわけだから、それはもう、ね。



二枚目は普通にブタ玉。
こちらも美味。
ごちそうさまでした。

日帰りライドというと、どうしても晩御飯は食べずにそのまま帰ってしまうことも多いけれど、晩御飯まで食べてから帰ると、なんか日帰り感が薄まって満足度が高まるような気もしないでもない、と思う今日この頃。そんな満足感と満腹感に浸りながら新快速に揺られて帰った一日だった。

おしまい。

走行距離:98㎞ 獲得標高1400m



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