FUJIFILM X-Pro2 レビュー ~X-T2の使い分けとか~

富士フイルム X-Pro2を買ってから早1年。
ってなことでレビュー記事。


「あれ、X-T2をもっていたよね…?」


はい。
これがまた、どっちもいいんですよ…!
ということで、この記事では、X-Pro2と同じく富士フイルムの同世代ミラーレスカメラであるX-T2との使い分けなんかも、併せて書いていきます。


◆X-Pro2ざっくり説明

X-Pro2は、富士フイルムのレンジファインダー風カメラの第二世代。
なお現在はPro3まで出ているので、Pro2はひとつ前の世代。

見た目はレンジファインダー風


発売は2016年。
詳細なスペックはもちろん、できる事なんかも方々で語りつくされているし、そもそも自分なんかがレビューできることもないので、「自分が好きなポイント」と「X-T2との使い分け」の2つに絞って話をしようかと。


X-T2の記事と同じで、詳細なスペックの話とか、高感度耐性がどうとか、等倍にしてどうとか、AFがどうとか、そういうちゃんとしたレビューというより、限りなく僕自身の感想とかに近くなります。悪しからず。


◆自分の好きなポイント①:ファインダー

X-Pro2を語るのであれば避けて通れないファインダー。
X-Pro2は光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)を切り替えられる「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」を搭載しています(名前が長い)。
ここ好きポイントは、切り替え可能というところ。

さて、OVFというと一眼レフを想起させますが、X-Pro2のOVFはちょっと違います。

X-Pro2の光学ファインダーは、ただの「窓」。


これはちょっと説明が難しいのですが、カメラのファインダーにただの窓があって、そこに「ブライトフレーム」という四角の白線の枠が示されます。ここが映る範囲。ピントが合っているかどうかは、OVFだけでは正確には分からないのが一眼レフと違うところ。そういう意味で”ただの窓”です。

白い枠がブライトフレーム


で、これの何がいいのかというと、設定で「アイセンサー」にしてOVFで写真撮影をすると、シャッターを押した瞬間に、OVFから「シュバッ」っとEVF(電子ファインダー)に切り替わって、今しがた撮った写真を見せてくれるところ。

「(OVFで)直接見ていた景色が、シャッターを押すという行為をしたことで写真になった」という感じがとても強く伝わるこのギミック。これがまた、とてもとても楽しいのです。おそらく文字だけじゃ、ちんぷんかんぷんだと思うのですが、とてもとてもとても楽しいのです。

EVFで最初から仕上がりを画像(映像)として見ているミラーレスでは、決して味わえない撮影体験。

「この機能によって良い写真が増えるか」と言われれば間違いなくNO。
OVFでは露出がちょうどいいかは分からないし、色味も分からないし、ちゃんとピントが合っているかも分からないし、パララックス(視差)があるから、厳密なフレーミングもできません。こう書くと、むしろマイナスの方が多いように見えるかもしれません。

でも、「この機能によって写真を撮ることが楽しくなるか」と言われれば、胸を張ってYES。

そもそも、自分がカメラに求めるのは「撮影体験」
綺麗な写真は二の次であって、カメラを構えてシャッターを切る瞬間が楽しいことが、まずもって前提です。(もちろん撮れる写真は綺麗であって欲しいけど……)。 スマホでも十分に綺麗な写真が撮れるようになったこの時代で、敢えてカメラを持つ理由はそこ。
そういう点でこのカメラはぴったりと自分に”適合”しました。

構える。
シャッターを切る。
写真になる。

その瞬間がたまらなく楽しい。
自分にとってX-Pro2はそういうカメラなのです。


◆自分の好きなポイント②:外見


かっこいいですよね…!

写真という結果物には直接響かないかもしれません。
それでも「持っていたくなる」というのは、趣味としてカメラを持つにはとても大事だと思っています。カメラをもって写真を撮る行為が”趣味”なので。






持った感じも自分の手にはちょうど良くすっぽりと納まります。持った感じはX-T2よりも好き。買った理由の一番はこれかもしれない、というくらいに丁度良いのです。

「持った瞬間にしっくりくる」

カメラを買う時に一番大事にしているのはこれで、あとは全部後付けだったりします。カメラは持ち出してこそ。「手にしたときのしっくり度」は持ち出し回数に直結する思っています。


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なお、その他のメリット(富士フイルム特有の色など)はX-T2の記事にまとめているのでそちらをご覧ください。


◆X-T2との使い分け

実はX-Pro2とX-T2のイメージセンサーと画像処理エンジンは同じです。つまり、外側が違うだけで、中身は一緒。基本的に撮れる写真に違いはありません

「じゃあ、なんで買ったの…?」

というわけで、以下使い分け。

X-T2を使う時
・4日以上の旅
・MFレンズを使う時
・失敗写真を減らしたいとき

X-Pro2を使う時
・3日以内の旅
・AFレンズを使う時

旅行期間によって使い分けているのは、X-Pro2が外部充電非対応だからです。この辺は2016年発売という古さを感じるところ。

反対にX-T2は外部充電対応なのでカメラに充電コードを差せば充電できます(というか2024年現在ならそれがスタンダード)。他に使い道のないバッテリー充電器を持っていくのは、荷物を減らしたい自転車旅とは相性が非常に悪いですし、そういう時は迷わずX-T2を手に取ります。

MFかAFかで使い分けているのは、X-Pro2をOVFで撮っているからです。
OVFではピントが分からないのでMFレンズでは基本的に使いたくないのです。
実は、エレクトロニックレンジファインダーという小窓を表示してOVF+EVFで使うという選択肢もあるにはあります。が、あんまりこれが好きではなかったのです。

自分の中では「OVF+AF」というのがX-Pro2の前提。

「X-Pro2にもEVFがあるのだから、MFレンズの時はそれで撮れば?」と思う人もいるかもしれません。しかし、X-Pro2のEVFは、X-T2と比べて小さくて見ずらい上に色味がちょっと変で、正直「良い」と言える代物ではないのです。

「だったら、EVFが見やすいX-T2のほうが良くない?」という話。

「というか、そもそもMFレンズいる?」
という話もあるかもしれませんが、ピントリングを回すと、ぼやけて曖昧模糊とした景色にすすーっとピントが合って実像が浮かび上がってくる瞬間は、X-Pro2とは別ベクトルの上質な撮影体験があるのですよ…!
(この話はいずれどこかでまとめる予定。こちらも楽しい沼。)

失敗写真を減らしたいときについては、もうそのまま文字の通り。
OVFの良さを語っておいてなのですが、露出も色味もピントも分からないOVFにはやっぱり失敗が付きものEVFの方が明らかに失敗写真は減ります。同行者がいるなど、ゆっくり撮影する時間がなさそうな時は、見やすいEVFを備えたX-T2を優先して持っていきます。

手前にピントを合わせたかった写真
「失敗写真だなあ」と捉えるか、
「これはこれでいいね」と思うか。
僕は後者です。


なお、チルト機能の有無のほか、連射や動画機能に違いがあったりするそうですが、自分はいずれも使用しない機能なので、評価対象外。


◆最後に

今年の持ち出し回数は、3:1くらいでX-T2よりもX-Pro2のほうが多かったかな、という感じでした。もう少し偏るかとも思ったりもしていたのですが、思ったよりも上手に使い分け出来ました。
(実は、X-T2を全く持ち出さなくなるかもしれないくらいに思っていました。)

そう遠くないうちにMFレンズをもう一本買う予定なので、そうしたらまた変わってくるかもしれません。いずれにせよ、どちらかを手放すつもりはなくて、しばらくは併用をしていこうと思います。

捨てがたい良さがあるこの2機種ですが、その良さは、どれほど詳細に形容したとしても文字じゃ伝わりきらないもの。
実際に手にして、構えてシャッターを切る瞬間まで分からない良さが確実にあります。

そうです。
気になったら使うしかないのです。
それしかないのです。
では、”こちら側”で待ってます。

以下作例。





































おしまい!


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