頃は1月。
イナさんと、イナさんのお知り合いの方たちとご一緒させてもらった。
「イナさんのお知り合い」という何だか距離感のある書き方になってしまったけれど、別に全く知らない人ではなく、僕自身もツイッターで結構前から交流のある人たち。
ただ自分が声をかけてというわけではなく、イナさんに声をかけて集ってもらったのでそんな書き方をしただけである。特に他意は無く。
イナさんはもうこのブログに登場するのは3回目だし、もう説明も不要かと思うけれど、まあ一応説明すると平日に絶景を垂れ流す憧れの人(←社会人になってこの言葉の重みを知った)。
さて、今回のライドは僕からイナさんに「イナさんと、それから皆さんとご一緒するライドをしたいのですがいかがですか」という形でお願いをした。
というのも、どうしたって一人で走っていればスタイルが固定化されてしまって、マンネリ感が出てしまったり、飽きが先行したりする。そういうことを防ぐためには誰かと一緒に走るのが一番だけど、でも自分とは全くスタイルが違う、例えばロングライド勢や競技勢に混じるのは無理だろうし、それはきっと両者にとっても楽しくない結果になってしまうのは間違いないわけで。
そこそこ価値観が近そうで、でも、自分とはスタイルが違いそうな方たちというと、イナさんやイナさんとよく走ってらっしゃる方々がパッと思いついたというのと、あとは関西に行くことがこの時点で決まっていたので、じゃあこの冬の間のどこかでご一緒しておきたいなというのとで、このタイミングでイナさんにお願いした。
スケジューリングからルート作成までしていただいたイナさんには本当に感謝しています。ブログとして記事にするのはだいぶ遅くなってしまいましたが、ありがとうございました。
ルートやその他諸々の事を書かれたイナさんの記事もあるので是非。
前置きはこのくらいにして本編へ。
スタートは土浦駅。
今回ご一緒するのはイナさん、kmさん、amagamaさんのお三方。
皆さん、カーボンバイク。
見ているだけでかっこいい。
天気は曇天。
前に誰かとご一緒するときには曇りが多いということをどっかで書いたけれど、そのパワーをいかんなく発揮してしまった。申し訳なさしかない。
そんなことを考えながら県道53号を逸れ、細い道へ。
初っ端から斜度15%越え。
一人なら悪態をつくかもしれない坂だけれど、誰かと登ると純粋に楽しい。
そのまま進みショートグラベル区間。
こちらも当然、楽しい。
そして当然のようにロードバイクでずんずん進んでいくイナさんとkmさん。
さらに西へ進み表筑波スカイラインから不動峠、そして風返峠へ。
まあ、ここ何回も走っているのだけど、正直あんまり好きになれない。
関東で屈指の人気ヒルクラスポットだということは一応知っているのであんまり大きい声では言えないのだけれど(ここに書いている時点で手遅れ)、交通量とか走っている車のスピードとかその他諸々、どうにも好きになれない。
もっとひっそりとした峠が好き。
多分この日集まった人たちもどちらかというとそういうタイプの方々だったんではないかと勝手に思っている。
風返峠を越え、さらに北へ。
ここからは幾分か交通量が減ってましになった。
湯袋峠を越えて一旦真壁方面へ下ったタイミングで昼ご飯。
先日行ったビーナスラインよりは温かいとはいえ、十分寒い冬の曇天。
温かい食べ物が体に染みた。
午後は本日のメインディッシュ、県道218号線へ。
険道などと呼ばれる類の道。
どうでもいいけど、自分の中であんまり「酷道・険道」みたいな言い方は好きではないので、「そう呼ばれる」という書き方にしておこうかと思う。この感情は自分でもうまく説明できる気がしないし、説明し始めると長くなるのでここでは割愛。
茨城県道218号線、知っている人は知っているだろうけど、西側はやばい。
ちなみにイナさんから送られてきたルートをみたときに「正気か?!」って思ったけど、こういう機会がないと行かないし、良い機会だと思って乗っかってみることに。ただ、そもそもこのルートを引くイナさんは本当にすごいと思った。
最初の1㎞ほどは乗れるもの、その先はグラベルロード、ロードバイク云々の問題ではなく、シンプルに無理。押して担いで進むほかない。
単なる悪路というだけでなく、道だった場所は川となりつつある場所もあり、1月の冷たい水は瞬く間に足先の感覚を奪っていった。歩きになることは想定していたから、最後までフラペにトレッキングシューズにするかSPDにするかで悩んで、結局SPDにしたけど多分トレッキングシューズが正解だったと思う。
そんな甘ったれたことを考えていた僕の横で、「ベンチレーションから水がしみこむ!」と言いながらスピードプレイで歩いていたイナさんは本当に理解できないし、改めてすごいと思った。
さて、お待ちかね。
ツイッターなんかで見たことのある、もはや道とは思えない箇所に出た。
写真では伝わらないかもしれないけど、一つ一つの石の大きさは相当なもの。
ここはもう担ぐしかない。
スパイクタイヤからノーマルタイヤに戻して軽くなったとはいえ、車体単体で12kgを優に超える愛車を担いで登るときだけは、心底カーボンバイクが羨ましいと思った。
さらに進めば見事なアイスバーン。
「ほとんど乗ってないんだよなぁ」などとぼやいた自分だけれど、内心では結構楽しんでいた。一人で来たら泣いて帰るような道だけれど、「こっちからいってみましょうか」「うわー思いっきり靴の中に水入ってきたー!」「ああそっちが正解だったかー」なんてワイワイ言いながら登れるのならそれはそれで楽しいものなのである。なにより、一人で来る場所じゃないところに複数人で来ているという事実だけで既に楽しいものである。
そんなこんなで一本杉峠に到着。
不思議な達成感があった。
とはいってもまだこの日は走る道が残っていて、とりあえずまずは林道北筑波稜線を南下。この辺りは昨年の秋に訪れていたので記憶もまだ新しいところ。
アップダウンをこなしながら。
眺望の開けるパラグライダー場より。
残念ながら、天気は曇天。
秋に来た時は涼しい気持ちの良い風だったけれど、冬になると体温を一瞬で持っていく空っ風になることを学んだ。この中を飛んでいくのは寒くないんだろうかなどと一瞬思ったが、こんな中自転車に乗っている自分が言うことではないだろうな。
パラグライダー場で体温を奪われた後はさっき通った湯袋峠を西側から越え、仙郷林道へ。
ここも以前通ったことのある道。
グラベル自体は走りやすいけれど、その手前の舗装路が地味にきつい。結構きつい。自分の隣を走っていたkmさんはこんな坂でもロー側を数枚残して走っていた。本当にすごいと思ったし、走り方のスタイルは人それぞれだなと思った。自分はフロントトリプルを全力で活用して登った。
国民宿舎のわきにある道に入れば、ここからはダート。
斜度はそれなりにあるものの、締まった走りやすいダートであり、顧客の求めるグラベルだと思う。ルートをふさいでもと思い、体力に余裕があったので先行。すぐ後ろにイナさんという形で走った。
と、まあ普通に書いたけれど、普通のロードでグラベルロードの後ろを平然と走っているイナさんを見て「やっぱ敵わないなあ」と思った。以前、グラベルロードを買うか少し考えているという話をされていたので、グラベルロードなら楽に走れますよ、という姿を見せられるかと思ったけれど、自分の考えの甘さを知った。
途中話しながら登っていたらグレーチングとグレーチングの間に挟まってリムを若干曲げてしまうなんてアクシデントもあったけれど、特に走るのには異常が無くてよかった。ただ、現在に至るまで若干グレーチング恐怖症にはなった。誰かと話しながら走るのは楽しいけれど、思わぬ落とし穴(物理的)があることを知った。
キャンプ場付近で一旦舗装路に戻り、再び未舗装路になってから、さらに進んだ場所に視界が開ける場所がある。何となくだけど、こういう場所がとても好き。以前来たときもいい場所だなと思ったけれど、今回もとてもいいなと思った。
さて、ここまでこれば後はもう下り、では無くていくつかのアップダウンをこなし筑波梅林の横を抜け、りんりんロードに戻るころには辺りは夜の帳が下りていた。
かなり消耗してしまったのとあまり補給食を食べていなかったとのダブルパンチでハンガーノック気味だったけれど、イナさんが羊羹を一つ分けて下さったお陰でしっかり回復。
そのまま、いいペースでりんりんロードを駆け抜け、土浦駅でゴール。
晩御飯までごちそうしていただき、もうなんだか至れり尽くせり。
ということで今回はおしまい。
イナさん、kmさん、amagamaさん、ありきたりな言葉ですみませんが、本当にありがとうございました。とても楽しかったです。
機会があれば、また是非。
おしまい。
走行距離:89㎞ 獲得標高:1883m |
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